ぽこけん

ぽこ&けんいちによる、海外ツーリング、国内ツーリング、テレマークスキー、温泉のホームページです


2001/06/06の日記 雨のち曇り 亀鶴公園(香川県大川町郡長尾町)→10番切幡寺(徳島県阿波郡市場町)

2001/06/06の日記 雨のち曇り 亀鶴公園(香川県大川町郡長尾町)→10番切幡寺(徳島県阿波郡市場町)

「ポコファミリー増員?」 昨日畑に落ちていた鳥のヒナに加え、峠で拾った子猫も加わって、ポコファミリー一気に増員。

「遍路資料館にて」 館長の木村さん、山頭火顕彰会の砂川さんと一緒に

「祝! 結願」 ヤッタ、ヤッタゾ! 88番大窪寺で思わず万歳!

「イングリッシュおじさん」 10番切幡寺の近くに住む大川さんのお宅でビールをごちそうになる。英語が得意(?) 陽気なおじさん。ごちそうさまでした。

■ 遍路資料館にて
「四国の他県で雨なら香川は曇り。雨が降らないから水不足で溜池が多い」と聞いていたのに、今日は朝から雨。とうとう梅雨に入ったのかもしれない。仕方なく雨の中を歩いて遍路資料館まで道を急ぐ。途中のコンビニで社会福祉協会のおじさんが、缶コーヒーとサンドイッチをごちそうしてくれる。雨の日は哀れを誘うのだろうか。そのおじさんも「ぜひ遍路資料館へ寄ってみなさい」と言っていたが、遍路の歴史や資料などを公開している無料の施設で、結願(けちがん・88ケ所すべてを回り終えること)を前にして今一度、遍路のことを知ることができるし、お遍路交流サロンもある。ここで白須さんと数日ぶりに再会する。今日、一緒に結願できそうだ。
ここの館長、木村さんはお遍路研究家。ちょうど山頭火顕彰家の砂井さんという人もいて、いろいろ話を聞くことができた。砂井さんは山頭火の句碑を建てる活動をしていて、88番大窪寺にもあるから見ていきなさい、と力説される。
■ ポコファミリーいきなり増員か?
88番大窪寺へは2通りの道がある。山道の女体山越えと車道である。以前に会った今林さんという9回目の遍路さんが「最後の女体山越えは、とにかく気持ちがいい。人間は母親の体から生まれるけど、そんな感じの、生まれ変わったような感覚でなんともいえない」と表現していたのが忘れられないのだ。ところが資料館で道の状況を聞くと、雨だから女体山越えの道は落石などもあって危険だというので、アスファルト道路をいくことにした。雨は上がっていたけれど、周囲は霧が深い。残念だけど女体山越えは次回にしよう。
遍路資料館をお昼前に出て、峠にさしかかったとき、「ニャーゴ、ニャーゴ」と低い声で鳴く小さな子猫がいた。エサもないだろうと思ってポコのエサをあげたら「ウマウマ」と言って一生懸命食べていた。こんな人家も何もないところに居ても車は止まらないし、歩く人もほとんどいないから誰にも気づかれない。せめてもう少し人家のあるところまで下ろしてあげようと、とりあえず寺まで連れていくことにした。昨日の夕方に畑で拾ったキジの子らしいヒナもいるし、これじゃ、まるでモモタロウだ。
■ ああ、結願
寺まであと3km弱、というところで、昨日の朝日新聞高松支局の伊藤氏がタクシーでやってきた。そこから寺まで一緒に歩く。話を聞くと予想通り今年の新人で、東京出身だとか。
やがて山門が見えてきた。ああ、やっと着いた。さすがに50日以上歩き続けただけに感慨深いものがある。最後まで歩き通せてよかった。やっぱりこの感動は歩いた者いしかわからないだろう。ポコもこれが最後の寺だとわかっただろうか? 四国を歩き通した犬なんてそういないだろうから、アンタはとってもすごいんだよ、えらかったね、ポコ。と声を掛けてもいつもどおりのクールな顔。もっとうれしい顔をしてよ、ポコ。
寺にはなんとカメラマンも待ち構えていた。ポコと3人で本堂の前で決めのポーズで撮ってもらう。これで明日の新聞に載ることが確定したが、残念ながら香川版なので、徳島県に入ってしまう私たちはもう見られない。実家に送ってもらうことにした。
女体山越えをしてきた、という白須さんは先に着いていた。やっぱり気持ちがよかった、と言う。どういう感覚なんだろう?
朝日新聞一行が帰ったあと、3人でゆっくりと最後のお経を上げる。いつもより丁寧に気持ちを込めて。これで終わってしまうのか、と思うとさみしい。お経を上げ終わると同時に雨が本降りになってきたので、しばらく寺で休憩する。その間、他の遍路さんたちから納経所の前に居たポコだけでなく、猫のことが話題になってしまう。寺の人も聞きつけたのか「ちゃんと持ち帰ってくださいよ。無責任なことはしないでくださいね」と念を押されてしまう。困った。まさに寺で放そうと思っていたのに。
健ちゃんが主に怒られたので、「せっかく結願でめでたい気分が台無し」と気分を害していた。それにしても、どうしよう、子猫ちゃん。
■ 初めての夜歩き
88番大窪寺からはどうするのか。ここで終わりにする人、ここから高野山へ向かう人、1番までお礼参りで歩くなど、いろいろだが、私たちは犬連れで公共の交通機関が使えないので、1番まで40km余りを歩くしかない。白須さんは高松の手前で知りあった地元の人の家で3日ほどアルバイトをする予定らしい。そのお金で高野山まで行くという。その人が夕方5時に寺に迎えに来てくれるとか。
私たちも夕方5時に寺を出発。ここからしばらく何もない道が続く。適当な野宿地も食料店もない。でも天気もよくなってきたし、なんだか歩きたい気分だったので、切幡寺までの10km余りを歩き切ってしまった。暗くなってから歩いたのは、この旅初めてだけど涼しくて気分がいいものだ。
■ イングリッシュおじさん
徳島県境を越え、やっと市場町に着いたときには「戻ってきたなあ」とまたまた感慨深いものがあった。すでに夜9時になっていたけど、まだ開いていた宮脇書店の前で「犬連れかあ、すごいなあ」と中年ご夫婦から声を掛けられる。「わしらの家はそこの道をゴーストレートね。ターンライトしたらあかんよ。へんろ道沿いだし、ビール用意してるから寄って行ってよ」。ポコを見て犬が吠えるからすぐにわかるという。その通り、その家の前を通ったら犬が3匹もいて、みんなで吠えたてた。同時にさっきのおじさんが出てきて、本当にビールとつまみを用意してくれた。この陽気なおじさんは大川さんといって、やたら会話の中に英語が出てくる。それだけじゃなく、ポーランド語、ロシア語ほか各国語で「アイラブユー」だけは言えるそうである。どうも飲み屋で働く外国人の女の子たちから覚えるらしい。私たちが四国の旅を終えたあと、今度は海外に出る、と話をしたら感動され「こんな人たちと知りあえて今日はよかったわ」と言われて、こっちもうれしくなる。最後にこんな人と出会えたおかげで大窪寺で怒られたことも解消された。
切幡寺の駐車場に着いたのは夜11時30分。見覚えのある山門をくぐりテントを張る。周囲にはホタルが飛び交い、空には満月が登っている。子猫のことが気がかりではあるけれど、結願の夜はしみじみと更けていった。


<メモ>
●コース:亀鶴公園(香川県大川町郡長尾町)→10番切幡寺(徳島県阿波郡市場町)
●歩行距離:30km
●今日の札所:
88番大窪寺(香川県大川郡長尾寺 N34°11’17” E134°12’22”)→静かな山中にある結願のお寺。ここに金剛杖を納める人もいる。門前にみやげ物や食事処が数軒あるが、それ以外は何もなく意外に静か。
●宿泊地:10番切幡寺の駐車場C(徳島県阿波郡市場町 緯度経度計測忘れ)→山門近くの駐車場内。トイレ(NOT水洗)、水場あり。

 

« »