ぽこけん

ぽこ&けんいちによる、海外ツーリング、国内ツーリング、テレマークスキー、温泉のホームページです


四国八十八か所犬連巡礼

2001/04/15の日記 晴れ 東京→徳島 歩行距離 約4km

空港カウンターでケージに入れられるポコ

一番札所で先達の遍路さんにかわいがられるポコ

四国遍路の旅のガイドブック

■ ポコ、飛行機に乗る
JAS徳島行き175便 12:45発で徳島へ。
ポコも羽田空港の出発ロビーをトコトコ歩いてチェックイン・カウンターへ向かう。
犬は手荷物扱いとなるので、ここでお別れ。ケージに入れられガタガタ震えている。
ところで、歩き旅のくせに飛行機とは贅沢、と思われそうですが、徳島行きのフェリーは中型犬のスペースがない、と断られ、かといってJRやバスも犬はダメ。仕方ない選択だったわけですが、犬にとっては長時間のフェリーよりずっと楽なはず。それにしても人間は片道12500円(株主優待)なのに、ポコは8000円。高いなあ。
■ 一番札所で先達に会う
徳島空港13:10着。ここから一番札所の霊山寺までは犬もOKだったのでタクシーを利用する。
一番札所は、予想していたよりも落ち着いた感じだったけど、白装束の方々が観光バスからゾロゾロと降りてくる光景はここならでは。
ところで、まったく遍路初心者の我々は、どうしてよいのかわからず、まずは本堂横の売店で最低限の遍路グッズをそろえることにした。金剛杖1500円、写経帳1500円、納札200円、般若心経の本500円、数珠2000円。遍路グッズは意外に高いので、白装束はとりあえずやめることに。売店のおばちゃんに作法を習い、見よう見まねで般若心経を唱える私たち。その間、ポコは、本堂横につながれ、「なんでこんなところに連れてきたんだよ~」とうらめしそうに上目使いでこっちを見ている。
そんな犬連れの私たちを見て、今日八十八箇所を回り終えたという先達(遍路)のおじさんが声をかけてきた。おじさんも歩きで40日余りで回れたというが、10kg以上も痩せたとか。ダイエットにはよさそうだけど、果たして我々は大丈夫だろうか。
■ Ninjaの旅ライダー参上
一番から二番札所、極楽寺までは1kmとすぐだったので、納経してもらい、キャンプ場ガイドで見つけた本日の宿泊地へ向かう。 3kmくらいだからすぐ、と思って歩き始めてまもなく後悔することになる。バイクでの3kmと20kg近い荷物を背負って歩くのではまったく感覚が違う。3kmは遠い。しかも遍路路から外れて街中になると金剛杖を持ち大荷物で犬を連れて歩く一行はなんだか異様でますます目立つ。
1時間弱かかって藍住町の「緑の広場」キャンプ場へ到着。街中とはいえ川沿いの静かな公園で、なかなかグッド。しかも無料だ。テントを張っていると、ライダーがやってきた。NINJAで四国を旅する北九州の陶山氏。なんと「全日本ツーリングベスト100」と古いツーリングマップを持って回っている。彼は生粋の旅人で、沖縄や北海道をアルバイトしながら転々としているそうで、ちょっと前までは島根の酒造元で働いていたという。大東島でも精糖工場で働いたそうで、お互いの旅話に花が咲き、徳島名物の「すだち酎」で乾杯した。


<メモ>
●歩行距離 :約4km
●本日の札所:1番霊山寺 遍路グッズの店があり、一式そろえられる。
2番極楽寺 大師が植えた「長命杉」がある。 無料の冷水機と紙コップあり。
●本日の宿:藍住町グリーンスポーツ施設「緑の広場」キャンプ場

2001/04/16の日記 晴 藍住町→3番→4番→5番→6番→7番 土生町の公園で野宿 歩行距離:23km

3番札所金泉寺で犬用の靴を履いたポコ。最初は変な歩き方だったけど、すぐに慣れて足取りも快調。これで肉球も大丈夫。以後、「靴を履いた遍路犬」として注目を浴びることになる。

3番札所で歩き遍路3年、15周目だというおじさんに遭遇。手押し車に生活用具一切を積んで野宿の旅。

5番札所地蔵寺近の食事処「水源」は定食類のメニューが豊富。しかも安くてうまいのでオススメ。写真は豚の一口カツと卵焼き、サラダ、大根葉のあえ物、ソバの具入りお吸い物、ご飯で750円。

 

■ ポコ、靴を履く
朝6時に起床したら、既にライダー陶山氏は出発していた。早い。昨日は四万十川から来て、明日にはもう愛媛からフェリーで九州へ渡る予定らしい。私たちが愛媛に到着するのは何日後になることやら。1ケ月以上はかかりそうだ。
キャンプ場から街中を歩いて3番札所の金泉寺まで戻り、やっと遍路道に合流できたのは9時過ぎ。まったくバイクならすぐの距離なのに、大荷物を担いで歩くとなると、寄り道をする余裕がない。もう無駄な歩きは絶対しないぞ、と誓う。歩き旅は荷物も厳選されるし、シビアだ。麦酒だって買いたいけど、その分重くなると思うとなかなか買えないのがつらいところだ。
さて、3番札所は、1番あたりとは違って少し静かで質素な雰囲気。ここでポコの靴を履かせることにした。出発直前に買った犬用の靴で、4本分で5000円なり。かなり高かったが、仕方がない。ポコもしばらくするとすっかり靴にも慣れて、快調に歩いてくれた。
■ 歩き遍路それぞれ
3番札所の入口で手押し車に大きな荷物を着けたおじさんがいた。聞くと、もう3年も遍路道を歩いていて、現在は15周目という大先達(遍路)さん。自炊用具もすべて積んで野宿の旅だという。「乞食遍路だけどな」と笑っていたけれど、ずっと歩いて野宿なんてすごい。大荷物を担ぐ我々を後目にさっさと抜かして先へ行ってしまった。今日はどこまで行くんだろう。
ほかにも80歳になる宮崎のおばあさんは、3度目だが、全部通しで歩くのは今度が初めて。1人で元気に歩いていた。また、30代くらいの気の弱そうな女性の歩き遍路も一人で区切り打ち(何度かに分けて歩くこと)。歩き遍路同士は、なんだか親近感があるので、お互いに話をするのだけど、バス遍路の方々は時間もないのか、ゾロゾロやってきてお参りしている間にガイドが納経を済ませる、といったパターン。それでもポコにはみんな話かけていく。 犬連れ遍路はやっぱり珍しいみたいだ。
■ ポコ、暑さでバテる
それにしても、まだ4月半ばだというのに徳島は暑い。桜はとっくに終わってるし、道端のタラノメもすでに大きくて食べごろを逃している。那須ではまだ桜も咲いてなかったのに、気候が1ケ月くらい違う感じ。那須高原育ちのポコはとにかく暑さが苦手なので、こんな暑いさなかに歩かされるのはつらいようで、寺に着くと木陰ですぐに横になって寝てしまう。かなりバテバテの様子で、なんだかかわいそう。先も長いし、思った以上に昼間暑くなるので、明日からはスペイン方式でシェスタを取り入れることにした。昼間12時~2時くらいまで休憩し、朝夕の涼しい時間に歩く。これなら少しは距離が稼げるにちがいない。今日はポコも我々も暑さで疲れ、20km余り歩いただけでバテバテになってしまった。

 


<メモ>
●歩行距離:23km
●本日の札所:
3番金泉寺 こじんまりした小さな寺。境内の「黄金井戸」は長寿に霊験あり。
4番大日寺 山中の小さな寺。
5番地蔵寺 五百羅漢のすぐ横にある寺。バス遍路にたくさん出会う。
6番安楽寺 境内は小さいが、左手の宝塔が目立つ
7番十楽寺 赤、白の山門が中国風で雰囲気よし。宿泊施設がある。
●宿泊地:土生IC近くの狭い公園の裏手。水道あり。水洗トイレあり。車の音がやや気になる。

2001/04/17の日記 晴れ 第8番 熊谷寺→第11番 藤井寺

「へんろ道はのんびり」歩き遍路のための「へんろ道」は田舎道が多くのんびり歩けるよ

「電源確保に苦労する歩き旅」道端でモバイル通信中。へんろ道はド田舎ばかりで店もなく電池も買えず。しかも毎日野宿しているで電源がままならない

9番法輪寺は健脚祈願の寺。山門に大きなわらじがある

10番切幡寺近く「うどん亭八幡」の日替わりうどん定食600円。ボリュームあって、うどんもシコシコ。オススメ

■ ポコ、へんろ道を行く
6時起床、7時出発。第8番・熊谷寺へ向かう。ここには大きな山門があり、その下に野宿できそうなスペースがあった。寺には立派な塔があり、大きな遍路バスも数台とまっている。さらに納経所が自動ドア! 遍路事業でもうかっている様子。1回300円でいったい1日何人やってくるんだろう。次の第9番、法輪寺へは田園地帯の中を歩く。歩きのへんろ道は車のコースと違い、こうしたのんびりした田舎道に造られているので、いい雰囲気だ。さて、法輪寺は健脚祈願の寺で、門のところに大きなわらじがある。ポコと私たちが八十八箇所歩き通せることをお願いした。
■ 遍路グッズが半額!
第10番、切幡寺は山深い中にあり、234段もの石段を登って行く。大きな杉林が荘厳な雰囲気をかもし出している。ややバテ気味のポコは石段の下で荷物番をしてもらうことにした。おごそかな雰囲気の石段を登ると、本堂前には出店があり、気さくなおばちゃんがやってくる遍路さんを次々に巻きこんでなごやかなムードだった。ここは八十八番を周り終えた満願の人が第一番へ戻る分岐点にあり、寺の前には民宿やみやげ物などが集まる門前町になっている。ここでポコ用の数珠を買おうと遍路グッズを扱う店に入ってみたら、なんと遍路グッズが1番よりだいぶ安い。1500円で買った金剛杖は600円、納札も半額。そういう話を聞いてはいたけど、やっぱり悔しい!
■ 歩き旅では食料調達が毎日の課題
10番から11番へは約10km。今日は昨日より涼しいとはいえ、ポコのことも考え、のんびり休み休み歩いていたら、昨日の15回目巡礼中のおじさんに再会。11番に向かう途中の店で買い物をしていたおじさんの袋からレッド(ウイスキー)の小瓶があった。乞食と言ってたけど、お金がないわけじゃなさそうだ。同じ歩き遍路でも、おじさんや私たちの野宿組は宿泊まり遍路と違って荷物もふえるし、毎日の食料調達も大きな課題。へんろ道にはスーパーも食堂も少ないので、買い損ねてしまうと食事もできない状況となる。しかも、台車を引くおじさんと違ってすべての荷物を担ぐ私たちは、あまり早くから買いすぎると荷が重くなるので、もう少し先の店で買おうと思ったら、そっちには酒もなければ物も少なく、結局おじさんが買っていた店まで1kmほ
ど戻るはめになった。さすがに15回目のベテランは違う、と感心した。
■ 11番、藤井寺はケチ!
11番、藤井寺はさみしい集落の奥にある小さな寺だが、この先12番までの長い山越えを控えているので、歩き遍路の人はほとんどここで1泊し、翌日の朝に出発する。私たちもここに泊まるつもりで夕方5時、納経時間ぎりぎりに到着すると、「納経は5時までだから、さっさと納経帳出して!」と怒られる。なんだなんだ、この態度! お金も取るくせに! と心の中で怒るが、納経してくれなかったらこっちも困るので低姿勢でありがたく納経してもらう。 さらに、ここの境内で野宿するつもりだったので、水場をチェックしたら、なんと夕方のせいか手水もなくなっているし(翌朝はたっぷり出ていた)、本堂横の水道も水が出ない。水を止めているのだ。結局下にあった駐車場のトイレに水道があるのを発見し、管理している旅館に断ってテントを設営し、ほっと一息していると、寺に住みついてるノラ犬がやってきた。どこかで飼われていたようで、人懐っこい。食べ物をあげてポコのリード用ロープで首輪を作って造あげた。


<メモ>
第8番→第9番→第10番→第11番

●歩行距離:19km
●本日の札所
第8番 熊谷寺  立派な山門があり、大きな塔が目立つ静かな寺。
第9番 法輪寺  田園地帯の中に建つ健脚祈願の寺。山門に大わらじがある
第10番 切幡寺 杉林の中にある大きな寺で、234段の石段を登った上に本堂がある。小さな門前町もある。
第11番 藤井寺 素朴な集落の一番奥にある小さな寺。犬が住みついている。

●宿泊地:第11番藤井寺駐車場 芝生のスペース、トイレ(NOT水洗)、水あり。旅館「ふじ屋」に許可をもらう。

2001/04/18の日記 晴れ 12番 焼山寺

ノラエもんにエサの分け前を取られて怒るポコ

12番 焼山寺からのへんろ道で出会った9回目、逆打ち巡礼中の中林さん

11番藤井寺に住んでいるノラエモン。なかなかやさしい顔

■ ノラエもん、12番までお供をする
朝5時半に出発。藤井寺の境内を抜けて山道へ入ってゆく。昔ながらのへんろ道らしい、なかなかいい雰囲気の道だが、けっこう本格的な登山道だ。昨日のノラ犬も一緒に着いてくる。道案内のつもりだろうか。ポコは自分の分け前を取られるため、いまいち気に入らない様子だが、私たちはノラエもんと命名する。どうせ途中で戻っていくだろうと思ったら、13kmほどの山道をずっと一緒についてきてしまった。山中にあった「柳水庵」の人もときどきやってくる、と言っていたからノラエもんにとっては慣れた道のようだ。
でも、犬の仲間のポコもいるし、エサもあげたから、もしかしてこの先もずっとついてくるんじゃないだろうか、と心配になる。12番、焼山寺で途方にくれていたら、いつのまにかいなくなっていたので、その隙に先へ進む。「ノラエもんがちゃんと11番に戻ってシアワセに暮らせますように」とお祈りしたのがよかったのかも。
■ 9回目、逆打ちの先達に会う
ノラエもんから逃れ、また山中のへんろ道を歩いていたら、前方から本格的な遍路姿(足元はサンダル)の人がやってきた。「こんにちわ」と挨拶する。なんと逆打ち(逆周り)の遍路さんで9回目だとか。しかもまったく無一文で出発し、托鉢(寄付)だけで回っているというツワモノ。「昨年12月に50歳になり、その後の人生は弘法大師さまに捧げるのです」と言って、今度は北条時宗やら歴史の話を熱く語りだし、さらには八十八箇所の寺の坊さんの廃退ぶりを嘆き、そのうち政治家になって世直しをするからよろしく、と一気にまくしたてて去っていった。最初は「ヤバイ、あぶない人につかまってしまったか」と思ったけど、実はそうでもなくひと安心。北九州の今林さんという人で、元は学習塾を経営していたのだとか。「霊験は無我の境地になったときに初めていただく」とのこと。このへんろ道は霊験があり、寺だけ回っていても意味がないそうだ。なんだか歩き遍路にはいろんな人がいるなあ。
■ 温泉に入ってすっきり
焼山寺はかなり高所にあったので、そこからはひたすら下りの道になり、山道も終わって舗装路を行く。土の道と違って足の裏が痛い。ポコにも再び靴を履かせる。犬でもつらいだろうなあ。今日はとにかく温泉に入りたい! ということで、神山温泉までがんばることにした。焼山寺から10km、山越えで体力を使ったので、下りといえどけっこうつらい距離だが、温泉に入れる! と思うとがんばれる。その点ポコは何の楽しみもなくってひたすら歩かされてるだけで、かわいそいうだなあ。夕方5時、念願の温泉へ到着。すぐそばに野宿できそうなポイントも見つかったので、ここでゆっくり時間を取ることに。


<メモ>
●歩行距離:23km
●本日の札所:
第12番 焼山寺 標高700mにあり、へんろ道では登りがきつい。立派な山門をくぐって行く。境内からの展望がいい。
●温泉:「神山温泉保養センター」(名西郡神山町) 透明でややぬめり感のある湯。シャンプー、ボディシャンプーあり。大浴場、無料休憩所、食堂あり。 500円、10~20時、火曜休。
●宿泊地:「神山温泉保養センター」裏手にある川沿いの公園の駐車場内。集落に近いが静か。東屋、水洗トイレ、電源あり。

2001/04/19の日記 晴れ 神山温泉→13番札所 大日寺

「ポコ、お母さんになる?」小学生たちが連れてきた子犬にびっくりするポコ

「食料危機(?)」 食堂も商店もなく、設計事務所の倉庫で金ちゃんラーメンを食う図

これが徳島名物の「金ちゃんラーメン」だ!

■ 持っててよかった「金ちゃんラーメン」
本日はゆっくりと8時に出発。ずっと車道歩きでたいくつだ。細い道なのに大きなトラックが何台も通るので、歩きにくいし、ポコもかわいそう。しかも集落はあっても店もなく、昼時になっても食堂も見つからない。やっと見つけたと思ったら仕出し専門で、がっかり。なんでこんなに何もないの? 結局、日陰になっている設計事務所の倉庫を借りて自炊する。昨日買っておいた徳島名物(?)の「金ちゃんラーメン」。1袋85円なり。これからもこういう事態に備えてラーメンは携帯するようにしよう。
■ ポコ、子犬に遭遇
昼食後も退屈で暑い舗装路を延々と歩く。歩行距離は大したことがないのに、なぜか疲れる。徳島市内に入ったばかりの入田町にある小さな神社で休んでいると、向かい側の家で遊んでいた小学生4人が、それぞれ1匹づつ子犬を抱えてやってきた。ノラのお母さん犬が子犬を置いて帰ってこなくなったので、牛乳をあげたところだ、と言う。見ると、まだ生後2週間くらい。ポコが子犬を見てびっくりして、逃げようとするのがおもしろい。何で? 同じ犬だとわからないのかな。
小学生たちが家から冷たい麦茶を持ってきてくれた。ありがたくいただく。子犬はどうするの? と聞いたら、「家には別な犬がいるから飼えない」と言ってたけど、だれかいい人にもらわれますように。次の寺でお祈りしてみよう。
■ またもや食料危機に!
子犬と小学生と別れ、またたいくつな道になったが、神戸からの歩きへんろの63歳のおばさんと出会い、モンゴル、ネパールなどの話を聞きながら歩いたら、あっという間に13番の大日寺に着いた。交通量の多い道路沿いで、あまり大きくない寺だが、顔なじみになった歩きへんろの人たちが何人か到着していた。彼らも今日は近くの宿に泊まるという。私たちは寺の向かいにある一宮神社の裏にいい野宿ポイントを見つけたのだが、この周辺には酒屋はあっても食料はまったく置いてないし、食料品店も何もない。すでに金ちゃんラーメンを食い尽くしたあとなので、仕方なく2km先にあるというスーパーへ健ちゃんが買い出しに行くことになった。へんろ道からそれるので、ここはタクシー、バスを利用したが、こんなに食料調達に苦労するとは思わなかった。歩きの旅はまったくシビアなのだ。


<メモ>
4月19日(木) 晴れ
●コース:神山温泉(徳島県名西郡神山町)→13番大日寺(徳島市一宮町)
●歩行距離:16km
●今日の札所:13番 大日寺 水子(?)に囲まれた変な地蔵さんがいた。向かいにある阿波一宮神社のほうが威厳があって立派なのだが、参拝者が少なく静か。
●宿泊地:一宮神社の裏(N34°02’09’’ E134°27’24’’) トイレ(NOT水洗)、水場あり。

2001/04/20の日記 晴れ、やや風あり涼しい 14番 常楽寺→17番 井戸寺

「ポコ、お接待を受ける」 通りがかりのおばちゃんに唐揚げをもらって食うポコ

一宮神社の裏でテント設営。意外に野宿ポイントは多い

四国名物、沈下橋の上を通る

■ ポコ、お接待を受ける
一宮神社を出て14番へ向かう。14番から17番井戸寺までは、距離も短く、田舎道だけど、井戸寺を出ると、今度は一変して街になる。交通量も多いけど、久しぶりの街はちょっとうれしい。これで買いたいものも買える! と100円ショップに入って麦わら帽子やポコのエサなどを買いこむ。買っておきたいものは多いけど、歩き旅では今日の分しか買えない。ツライ。少し行くと、ほかほか弁当の店もあった。ウレシイ。店の人に「昨日、13番の大日寺で見かけたわよ。がんばって」と声をかけられる。犬連れだけに目立っている様子。そのあと街中で、「ワンちゃんにあげて」と、おばさんがトリの唐揚げをくれた。ポコ、はじめてのお接待。ありがとう、おばちゃん。
■ 歩き遍路につらいR55
17番と18番の間は18・8kmと離れていて、しかも徳島市街に近い国道55号線を延々と歩かなければならず、歩き遍路にとって、つらく、つまらない道である。同じへんろ道でも田舎道や山道だとほっとする。でも、一番いやなのは、道幅が狭いのに、交通量が多く道幅が狭い道。短い距離でも疲労は倍増する。特に山育ちのポコにとっては神経を何倍も使っていることだろう。ごめんね、ポコ。
延々と渋滞するR55沿いに歩き、やっと18番恩山寺へのへんろ道に入り、他の歩きへんろの人が泊まっている「民宿ちば」の前を通ったあたりに、古い山門を発見した。水場もあったので、ここで野宿決定。すでに夜の8時。クタクタになって寝てしまった。


<メモ>
●コース:13番大日寺(徳島市一宮町)→14番常楽寺→15番国分寺→16番観音寺→17番井戸寺→18番恩山寺(山門まで)
●歩行距離:27km
●今日の札所:
14番 常楽寺 入口の山門と自然石を削った石段が雰囲気いい。
15番 国分寺 古くて縦長の境内。大きな鐘がある。
16番 観音寺 住宅街の中にある庶民的な寺。
17番 井戸寺 大きくて立派な寺。本堂もキンキラキン。納経所もまるで銀行の窓口風で事務的。

●宿泊地:18番恩山寺の古い山門の下(N33°59’01″ E134°34’57″)

2001/04/21の日記 雨 18番 恩山寺→19番 立江寺

「カッパを着たポコ」245 雨が強くなってきたので、ビニール袋でポコ用の応急カッパを作成

雨の日はつらいけど、がんばるポコ

■ ついに雨。
朝、起きたら雨が降っていた。週間天気予報通りだが、徳島でも久しぶりの雨らしい。ちょうど山門の下で屋根がある場所にテントを張ったのでよかった。昨夜の到着が遅かったし、体も疲れていたので、しばらくテントの中で雨の様子を見る。その間、すぐ下の民宿に泊まっていた歩き遍路の人たちが次々に寺へ向かっていった。頑張ってるなあ。我々も重い腰を上げて9時過ぎにようやく出発した。
18番恩山寺の次は19番立江寺。小さな門前町もあり、庶民的な雰囲気なのに、納経所はまるで銀行の窓口のよう。事務的な感じで遍路バスツアー一行の山積みになった納経帳を次々に片付けていた。
■ ありがたや、お接待
19番から20番までは14kmほどとけっこう距離がある。雨は止むどころか、だんだん強くなり、寒い。それでも歩きへんろの人たちはみんな頑張って前進する。ポコは逆に寒いくらいが調子がいいのか、今日は元気でまったくバテる様子はない。犬にとっては暑さが大敵みたいだ。それでもぬれてかわいそうなので、ビニール袋で即席のカッパを作ってあげたけど、いまいちみすぼらしい。今度はもっとカッコイイカッパを作ってあげるからね、ポコ。
今日は、なぜかお接待が多かった。農家のおじいさんがミカンとティッシュペーパーをくれた(両方ともありがたい!)、タコヤキを買ったら、お茶を入れてくれたうえ、巻き寿司まで出てきてお土産にも持たせてくれた。「雨の日、歩いている遍路さんには、つい、ね」と店の人。でも毎回これじゃ、商売にならないんじゃないのかな。
■ 鶴林寺へのつらい登り
今日は雨も降っているし、鶴林寺へは登り坂なので、その手前で野宿しよう、と思っていたけれど、適当な場所がなく、結局5kmほど登って寺の駐車場に泊まった。残念ながら屋根のある場所はなく、濡れたカッパや衣類を電話BOXや公衆トイレの中に干す。体をタオルで拭き、少しはさっぱりしたけれど、あ~、お風呂に入りたい! 四国に来て7日目、まだ1回しか風呂にありつけない。今度はいつ入れるだろう。


<メモ>
●コース:18番恩山寺(徳島県小松島市)→19番立江寺(徳島県小松島市)→20番鶴林寺(徳島県勝浦郡勝浦町)
●歩行距離:18km
●今日の札所:
18番 恩山寺(計測できず)→厳かな雰囲気の山寺。舎利子ほか仏陀の弟子が勢ぞろい。
19番 立江寺(N33°57’52’’ E134°36’31’’)→境内はそれほど大きくないが、団体が食事をしたりする場所もあって、納経所なども役場か銀行風。商売熱心な感じ。
●宿泊地:20番鶴林寺の駐車場B トイレ(NOT水洗)、水あり。屋根なし。(N33°54’41’’ E134°30’36’’)
※宿泊地のランクを入れました。A:かなり快適 B:まあまあ。C:いまいち。D:オススメできない

 

 

 

2001/04/22の日記 晴れ 20番 鶴林寺→22番 平等寺

 

「大きなマツボックリ発見」 山道にへんろ道沿いにいきなり落ちてたでっかいマツボックリ。これひとつだけしかなかった。

野宿の毎日なので川で洗濯中

「歩き遍路の面々」 22番平等寺に集まった歩き遍路のみなさん。何日も歩くと仲間意識が生まれる

■ またしても食料危機!
朝起きると風は強かったが、雨は上がっている。よかった。と思いきや、お茶を飲もうとして食料袋を探すが、テントの中をいくら探してもない。テントの前室にもない。どうしたんだろう? まさか、動物に取られた? 一応周囲を探してみたら、案の定食い散らかされた見覚えのある袋が見つかった。中身をいチェックしたら、ほとんどのものが食べられていた。ガーン。今日は商店もないだろうから、昼食分まで買って、重い荷物を担いできたというのに。その後、テントをすきっ腹でテントを撤収していると、痩せた犬が一匹様子を見に来た。もしかしたら、犯人はあいつかもしれない。でも、きっと何日も食べてなかったのかも。そう思うと仕方ないな、と思うのだった。
■ 山道歩きで、ポコ元気!
20番鶴林寺をお参りし、次の太龍寺までは山道になる。歩き遍路以外の人たちは、みんなロープウエイで来るような山の上の寺なのだ。たった6.5kmの距離なのに、2時間半もかかった。登り下りのある道は距離を稼げない。まして20kg以上の荷を背負っているので、登りになるとペースが落ちる。そんな我々を後目に、ポコは元気に歩いている。土の道で日陰が多く、車も通らないので、犬にとっては舗装路よりはずっと楽しいに違いない。
それにしてもお腹が減った。豪華な太龍寺に行けば何か食べられると思ったのに、土産物屋しかなく、仕方なくまんじゅうを買って飢えをしのぐ。納経所前で、この1週間ずっと同じ行程で歩いている気の弱そうな女性にまた出会い、今朝の食料危機事件の話をすると、持っていたお菓子などをくれた。同じ歩き遍路からお接待を受けてしまった。でもありがたく頂戴した。香川の人で、71番札所の近くに住んでいるという。今日でとりあえず帰るそうだ。
■ 平等寺でやっと食事にありつける
22番平等寺へも気持ちのよい山道の遍路道。竹林の中を通ると、タケノコがいっぱい。おばさんが収穫していたが、間に合わない様子。しかし、商店はない。途中にあった集落に1件酒屋はあったが、またしても酒だけで食料はなし。まったく、こんなに食料に困るとは思わなかった。早く平等寺へ行きたい。町に近いので何か食べられるだろう。果たして、山門横に「喫茶・軽食 山茶花」があって、参拝より先に飛び込み、生ビール付きで食事をした。ついでにしっかりモバイルの充電もさせてもらった。
お腹を満たしたところで、平等寺へお参り。中規模の寺で、奥の長い石段を登ったところに本堂がある。ここでまたなじみになった歩き遍路の人たちが集合していた。歩きの人たちは、同じようなペースで歩いているので、もう何日も同じ宿で顔を会わせているらしい。私たちもずっと抜きつ抜かれつで、顔なじみになっているので、寺で会うと和んで話が弾む。仲間意識も生まれるようだ。
夕方、寺で休んでいると、納経所にいた住職の奥さんらしい人が、「ここで泊まっていけばいいわよ」と声をかけられる。もう少し先まで、と考えていたけれど、ありがたく泊めさせていただくことにする。お寺の境内なら安心だし、トイレも水も心配ない。最高の野宿ポイントなのだった。

 


 

<メモ>
●コース:20番鶴林寺(徳島県勝浦郡勝浦町)→21番太龍寺(徳島県阿南市)→22番平等寺(徳島県阿南市)
●歩行距離:18.2km
●今日の札所:
20番 鶴林寺(N33°54’39’’ E134°30’30’’)→広い境内を持つ山寺。本堂前に鶴の像がある。大きな三重塔が目立つ。
21番 太龍寺(N33°52’44’’ E134°31’28’’)→山の上にあり、普通はロープウエイを利用するが、歩き遍路は山道を行く。境内広く、立派な多宝塔がある。
22番 平等寺(N33°51’02’’ E134°35’12’’)→中規模の寺で落ち着ける雰囲気。本堂は男坂を登った先にある。
●宿泊地:平等寺境内A 水あり、水洗トイレあり、電源あり。

 

 

 

2001/04/23の日記 晴れ 22番 平等寺→23番 薬王寺

「ポコ、トンネル怖い!」 R55に出ると、交通量が増える。特にトンネルは暗くてポコ、先に進めない。仕方なくだっこして通る。

日和佐の善人宿に泊まる

■ 電気ドロボウ、通信に成功
昨夜8時30分に寝たので、朝4時に起床。そそくさとトイレにある電源からモバイルを充電する。ここまで山道や田舎道続きで電源はおろか食料にも困っていた状況だったので、電源を確保できたのはありがたい。なんとか通信もできてほっとするが、かなり時間がかかった。携帯電話だとうまくいかないことも多いようだ。俗世間を離れて弘法大師の道を歩いているというのに、こんなことをしている私。いいのだろうか。でも自分たちの旅の様子をがアップされているのを見たら、やっぱりうれしい。頑張らねば.。タダで泊めてもらったうえ、電気も使ったので、200円お賽銭箱に入れたが、出発してすぐに散歩中のおばあさんに「2人だから200円」とお接待を受けた。お賽銭と同じ額。偶然か?
■ 退屈でイヤな国道歩き
のんびりした田舎道も終わり、へんろ道はR55に合流。ここから室戸岬までずっと長い長い国道歩きになる。とりあえずは海沿いの日和佐を目指すが、交通量も多い上にトンネルも何箇所かあって、ポコが怖がって動かなくなる。山育ちで都会も知らないし、トンネルも初めてなので、仕方がない。だっこしながら通りすぎる。歩道があるからいいようなものを、犬じゃなくても車に引かれそうで怖い。もっとゆくり走ればいいのに、と思う。すでに歩き旅のスピードに慣れてきてしまっているので、車やバイクのスピード感覚についていけない。国道沿いに「室戸岬まで90分」という看板を見つけた。こっちは多分3日がかりだ。
■ 日和佐の「善人宿」に泊まる
R55をずっと歩き、やっと海に出たところが日和佐の町。23番薬王寺があるし、昼すぎには着けるから、ここで少しのんびりしようと計画。最初はYHに泊まろうと思ったけれど、電話してみたら、どうも営業してない様子。その代わりにへんろ旅のガイドブックで「善人宿」というのを発見。どんなところだろう、と思ったら、無料で夕食まで出してくれる歩き遍路のための接待宿だった。食事処「はしもと」のご主人が善意で提供してくれているもので、駐車場にある古いバスの中を泊まれるスペースに改造してくれている。電源もあるしTVもあるし、何といってもすぐそばに温泉があるのがありがたい。何日かぶりでお風呂に入り、海で釣りなどしながらゆっくり過ごす。こんなにのんびりしたのはこの旅はじまって以来。他にチャリダー遍路もやってきて旅の話もできた。外のテントの中で1人で寝るポコには悪いけど、快適な夜だった。


<メモ>
●コース:22番平等寺(徳島県阿南市)→23番薬王寺(徳島県日和佐市)
●歩行距離:23km
●今日の札所:
23番薬王寺(N33度43’44’’ E134°31’49’’)→日和佐の街中にあり、高い石段を登った先に本堂がある。展望よく休憩にいい。紅白の塔が目立つ

●宿泊地:「ドライブインはしもと」の善人宿(N33°43’32″ E134°31’56″ )

2001/04/24の日記 曇り一時雨 善人宿(徳島県日和田町)→徳島県海部町

「ポコ、つまらない国道歩きにふてくされる、の図」 日和佐町から室戸岬まで90kmはずっとR55沿いの車道歩きで歩き遍路にも、犬にもつらい

「ポコ、人気者」那岐町のお遍路さん接待所でおばさんたちのアイドルになるポコ

■ 15周目のおじさんに再会
善人宿の前で出発準備中、3年間で15周目というおじさんに再会。休憩中に文庫本を読んでいたので、見かけによらずインテリなのかも知れない。何度か抜きつ抜かれつしているうちに、アル中を直すために歩き旅を始めた話をポツリとしてくれた。最初は東海道を東京まで裸で歩いたと言っていたが、なぜ裸なのかはわからなかったし、いつ旅が終わるのかも聞けなかった。他の歩き遍路の人もやってきたので、話はそれまでになってしまったけど、私たちのような遊び半分の人だけじゃなく、いろんな事情を抱えている人が多いのだろう。
■ ポコ、那岐町で人気者
日和田町からは24番の最御崎寺のある室戸岬まで90km、ひたすらR55を行く。ときどきあるトンネルが怖い。那岐町へ入ると、久しぶりの都会になり、「ほかほか弁当」の看板を発見! さっそく昼食を買いこみ、 牟岐駅前で食べていると、売店のおばさんたちがポコを見にきた。犬を飼っていて犬が大好きなのだとか。あまり人になつかないポコも、そういう人にはスリスリしていく。犬にとって、犬好きの人はわかるようだ。
そのあと、警察署の横に遍路の接待所があり、寄らせてもらってコーヒーやらお菓子やらの接待を受けたら、ここでもポコはボランティアのおばちゃんたちに大人気。犬連れ遍路は初めてだとか。それにしても、歩きの我々にとって、こういう接待はうれしい。最初は警察の人がやっていたらしいが、怖がって誰も近寄って来なかったため、地元のおばちゃんたちが接待係になったという。たしかに警官だと職務尋問されそうな気がする。
■ 230kmを完歩
犬連れ、大荷物の我々は、他の歩き遍路のみんなにどんどん追いぬかれて行く。この先札所の間が長いので、ペースの違いが顕著になる。それでも、寄り道するところがない1本道の平坦な道路なので、ノロノロペースでも1日30kmは歩ける。計算してみたら、一番札所から始めてトータルで230kmも歩いたことになる。びっくり。羽田空港を飛び立ったときは、こんな荷物で果たして毎日歩けるものなのかと不安だったけど、意外にできるものなんだなあ、と我ながら感心した。
本日の宿は海部町はずれの「漁火の森公園」。キャンプ場らしいスペースがあり、芝生で快適なサイト。四国に入って10泊、宿泊費ゼロ記録を更新中。


<メモ>
●コース:23番札所近くの善人宿(徳島県日和田町)→徳島県海部町
●歩行距離:30km
●今日の札所:
番外霊場 鯖大師(徳島県海南町  N33°38’40″ E134°23’16″
) 番外なので参拝者は少ないが、商売気の少ない感じのいい寺。弘法大師が3年鯖絶ちの修行をしたらしい。鯖の像がある。トイレがとってもキレイ。
●宿泊地:漁火の森公園(徳島県海部町 N33°35’02″
E134°21’22″)→快適なキャンプスペースあり。大きな屋根付き電源付き炊事場、きれいな水洗トイレ、手入れのいい芝生のサイト、と最高の環境。