▼ 滝野沢優子の「ぐるり東南アジア3カ国・タイカブツーリング」その13
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ラオスの首都・万象(ビエンチャン)を出発します。ラオスは、タイと違って
市街地を少し離れるだけですぐに田舎町になります。信号もなく、交通量もご
く少ないので走りやすく、幹線道路はしっかり舗装されているので快適です。
そんな快適ラオスツーリングの1日目は、北へ180kmほど離れたバンビエンとい
う町へ向かいました。
岩山がニョキニョキと林立する独特な風景から「ラオスの桂林」と言われてい
るバンビエンは人気の観光地です。しかし、戦争時の1970年代にはアメリカ軍
が駐留し、北部攻撃の拠点になっていました。ラオスは1953年の独立後も数十
年間にも渡って、大国に翻弄されていたのですね。ベトナム戦争時に攻撃され
て破壊されたままの街があったり、ときどき爆弾の殻を目にしてハッとさせら
れます。
このようなことも事前に知らなければ、気がつかないで通りすぎてしまいがち
ですが、私たちはガイドブックをしっかり読み込む派なので、主要な観光地の
ほかに、そんな小さな見どころもちゃんと探し出して見学するようにしていま
す。写真も可能な限りきれいに撮りたいので同じ場所で何時間も過ごしたり、
通り過ぎて「見過ごした!」とわかったときには戻ったりすることもあります。
また、犬猫がいれば止まって写真を撮っていたり、と寄り道ばかりであるため、
旅のペースはいつもゆっくりです。
さて、バンビエンには8年ぶりの訪問でしたが、かなり印象が変わりました。
以前はとってもローカルな町で、ツーリストといえば長期滞在のバックパッカ
ーばかり。レストランの前にはマジックマッシュルームとかドラッグの看板が
堂々と掲げられていたりと、なにやら不健全なムードがありましたが、現在は
ファミリー客も増え、団体ツアー客が川下りに興じていたり、土産物屋に大挙
して押し寄せていたり、ごく普通の観光地になっていました。
日本人は目立たない一方で、韓国人がやたらと多いなぁと感じました。なにゆ
えなのでしょう? 街中では韓国レストランを何軒か目にしました。また、韓
国人観光客はなぜかスポーツウエアを着ている人が多数です。中年女性は髪に
きついパーマをかけたオバタリアン風(死語!?)なので、日本人ではないと
すぐに判別がつきました。
▲ナムケン温泉の無料の露天風呂、バイクを横付けして入浴できます
そんなバンビエンの町を楽しんだ後、かつてのランサーン王国の首都であり、
街全体が世界文化遺産に指定されているルアンパバーンへ向かいました。ラオ
ス観光のハイライトであり、パックツアーでは必ず立ち寄る街です。小さな町
の中には80もの寺院があり、寺院の僧たちによる早朝の托鉢(たくはつ)が有
名で、それを見学することがルアンパバーンを訪れる観光客の最大の目的でも
あります。托鉢はおもに少年僧が回っています。供物はご飯やおかずなどの食
べ物で、大勢の僧たちに少しずつ分けていきます。裸足で歩き回る少年僧たち
も大変ですが、施す側の地元の人たちも毎日のことだから大変でしょうねえ。
ルアンパバーンには長期滞在の欧米人観光客もたくさんいてとても賑やかです。
気候といい、古都の趣きといい、ナイトマーケットがあるところなど、タイの
チェンマイの街を、規模を小さくしたような居心地の良さです。物価はタイの
ほうがやや安く、モノも豊富のため生活するには便利ですが、ルアンパバーン
のほうが車も少なくてのんびりできる雰囲気なので、タイから長期滞在先を変
更する人も多いようです。私が訪れた1月末のラオスは乾季で、ルアンパバー
ンは暑さもほどほどなので、寒くて暗いヨーロッパの冬を避け、春までここで
のんびり暮らすのはグッドチョイスだと思いました。
▲女性の腰巻きの丈がちょっと短いのがラオス風、道路標識にもそれが表現されていた
そう、乾季のはずのルアンパバーンでしたが、滞在中はなぜかけっこう雨に降
られました。そのうえ、初日と2日目は寝坊したため、托鉢を見ることができ
なかったこともあって予定外の3泊となりました。
▲カオソーイは辛みそスープのきし麺のような感じ、麺は米製、ライムを絞り、生の香菜をちぎって入れて食べる
▲ルアンパバーンの町、窓から顔をだしていた子、壁の色と帽子の色がマッチしていた
▲ルアンパバーン、商店の飼い犬、右のバッグの絵柄はラオス国旗
▲8年前と同じ宿に泊まった、無線ランもつながるのでベランダでブログをアップ中のけんいち
ルアンパバーンからさらに北上します。
ラオスの旅はここからが本番です。ルアンパバーンから北へは観光客があまり
行かないエリアだけに、途中の町にちゃんと宿があるのか、道路状況はどうな
のか、ガソリンは大丈夫なのか、ほとんど情報がありませんでした。
今回のラオス滞在は全部で2週間の予定です。時間に限りがある中で、どこま
で進むべきなのか。そんな手さぐり状況でしたが、中国国境に近いポーンサリ
ーという町を目指すことに決定しました!
来週に続く。
▲ルアンパバーンの町で朝食を食べて出発、これからラオス北部を目指す
※旅の様子は、ホームページ「ぽこけん」のブログでもレポートしています。
画像や動画もありますのでぜひご覧ください!
●ラオスの温泉、ナムケン温泉露天風呂に入浴(2013年1月29日)
http://pocoken.com/?p=4371
●8年ぶりのルアンパバーン(2013年1月29~31日)
http://pocoken.com/?p=4436
●動画 東南アジアツーリング その3 北ラオス前編(ビエンチャン~ウドムサイ)編
●ナムケン温泉(世界の温泉)
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週刊連載コラム、第94回はいかがでしたでしょうか。
バンビエン、ルアンパバーンといった観光地のほかに、途中の細かなスポット
も見逃さずに、寄り道しながらゆっくりツーリングを楽しんでいる滝野沢さん。
自分たちのペースで、行きたい場所、そしてゆっくり過ごしたい場所で時間を
かけられるというバイクツーリング旅を存分に堪能しているようでした。
来週は、ルアンパバーンからさらに北の情報の乏しい地域へ向かうようですが
大丈夫なのでしょうか。
来週も滝野沢さんのコラムをお楽しみに!
突然の書き込み失礼します。
初めまして
神奈川大学アドベンチャークラブの後藤と申します。
自分はタイで原付バイクを購入し、東南アジアを旅しようと思っているのですが、インターネットで国によっては国外の車両は持ち込めない国などもある、などといった記事を目にしました。また、購入時にも現地の住所を持っていない人は本人名義の車両は買えない、という記事も見ました。
大使館やJAFに電話して聞いてみたのですが詳細はわかりませんでした。
こういった問題に関して何かご存じでしたらアドバイスを頂きたく思い書き込みさせていただきました。
現時点で訪れる予定の国はタイ、カンボジア、中国、ミャンマー、ベトナム、マレーシア、シンガポール、ラオスです。
よろしくお願いいたします。