イジェン火口湖を見るためには1時間の山登りが必要とのことです。
ちょっと前に、ブロモ山で5時半に起床してすでに日の出には遅かったので、今日は3時半に起床して、バイクで14キロ離れた登山口へ向かいました。
南国だというのに寒いこと寒いこと。登山口は標高1800メートルにあるから寒いわけです。
4時半ヘッドライトを付けて登り始めます。ずっと急なのぼり斜面が続きますが、登山道は整備されているので登るのは楽です。
コースタイム1時間のところ、私たちは1時間10分かかりました。
イジェン火口湖が見える場所に立つ前に夜が明けてしまいがっかりしましたが、光も当たってないし、風向きのせいか、煙で火口が見えません。
風向きが変わり、光が当たってイジェン火口湖がきれいに見えだしたのは朝8時ころからです。
すごい勢いで硫黄の蒸気が吹き出し天に登っていきます。そして、荒々しい山の斜面を重い荷物を担いで運んでいる男たちが、どんどん火口から登ってきます。
天秤の両側に黄色い石のようなものが入っています。運んでいるのは硫黄です。
しかし、作業は崖を転げ落ちる危険の他に、硫黄の硫化水素ガスを大量に吸い込むことによる危険もはらんでいます。火口湖の美しさ以上に、この男たちに興味を持ってしまいました。聞くところによると、作業員は約250名、6日働いて1日休み。毎日200人ほどが作業しているそうです。
1回に運ぶ量は約70~80キロ、これを火口からトラックの待っている登山口まで運ぶそうで、1日に2回運ぶのが限度、賃金に関しては教えてもらえませんでしたが、けっこう良いお金になるということです。
私たちも火口湖まで下りてみることにしました。火口湖までの道は急坂で石がゴロゴロして足場も悪く70キロもの荷物を担いで登っていく男たちを尊敬せずにはいられませんでした。
ここが、大量の硫黄の蒸気が噴き出している地点。ここで硫黄の固まりを採掘し、男たちの運ぶ天秤に乗せて行きます。一気に大量のガスを吸ってしまうと死に至ることもある大変危険な作業場です。私たちも油断して大きく吸い込んでしまい、しばらく喉の痛みが取れないほどでした。
火口湖に触れてみると、水温50度以上はありました。なめてみると日本屈指の酸性硫黄泉である秋田県の玉川温泉以上の濃厚な酸味。いつ風向きが変わり、硫化水素の煙が来るかかわからないので、ゆっくりもしていられず、また外輪山にのぼりはじめました。作業する男たちはマスクを着用している者もいれば、全く無防備の者もいます。いずれにせよ、ここで作業する男たちはあまり長生きできないのではないかと思いました。
今のところ、ツーリストが火口湖まで降りることも黙認されていますが、今後、数が増えると禁止されていくかもしれません。
景観の美しさよりも、硫黄を運ぶ男たちに魅力を感じたイジェン火口湖を後にし、バリ島への玄関口、バニュワンギの町へ移動します。
コーヒー農園の経営するホテルを12時ギリギリにチェックアウト。
湿気たっぷり森の中の道を、標高2000メートルから0メートル付近まで一気に下ります。
途中の町で見かけたモスク。ジャワ島のモスクは玉ねぎ型屋根は少なくて、四角い作りで瓦屋根が多いようです。
バニュワンギのホテルバルーにチェックイン。1軒目に行った宿は高い部屋しか空いてなかったのでフロントのおじさんに紹介してもらった宿。ここが大当たり!1階の部屋でバイクを横付けできて、安くて快適、WIFIと朝食、ウェルカムドリンクまで付いて70000IDR(約700円)。言うことなし、完璧です。
インドネシア、今までの旅のルートです。
すごいですねー。台湾の北投温泉も硫黄鉱山として開発された温泉。元々はこんな感じだったのかな−、と思いながら読みました。写真もすばらしいですねー。