ここ、ソンラからハノイまでは300キロ。いつものペースなら2日かかるけど、行けることなら今日一気にハノイまで走りたいところです。ベトナム南部のホーチミン市を出発し、2か月かけてディエンビエンフーにたどり着いたところで気分的にはベトナムツーリング終了。
ラオスへ出国できなかったので、後は、バイクを売ってタイのチェンマイへ飛ぶために首都のハノイへ戻るところです。
ソンラで泊まった宿です。地震が少ないんでしょうね、狭い土地に細長い6階建ての宿でした。
昨晩買ってみて美味しかったので今朝も今晩用に買いました。お米で作った自家製焼酎、500mlで8000ドン(40円)味もいいし、なかなか効きますよ。
昨日夕食を食べて印象の良かった店に朝も行ってみました。満席で大繁盛しています。
注文したのは、フォーボータイ(半生牛肉入りフォー)。薄くスライスされた半生牛肉が食べているうちにスープの熱でちょうどいい具合になってきます。超美味で30000ドン(150円)。
ターイ族の人たちが暮らす農村を見ながらハノイ方面へ走ります。ターイ族はその名の通りタイ王国、あのバンコクのあるタイですよ、そのタイ系民族だということです。あまり山の中ではなく、お米を効率よく作れるような土地に集落があり、町があるようです。
タイも美人が多いけど、このおばさんもなかなか美人。
こちらも、ターイ族の町で野菜を売っていたおばさん。笑顔につられて白菜のひとつも買いたくなってしまいます。
昨日もターイ族の女性について書きましたが、何といってもこの髪形がすごいんです。髪の長さは身長ほどもあり、それをクルクルと束ねて頭のてっぺんに、夏みかんほどの大きさの団子状にして束ねています。今日、めでたくターイ族の女性ライダーの撮影に成功したので公開します。わかりますか?ヘルメットの位置が明らかにおかしいでしょう?
お昼は街道沿いの食堂へ。魚のトマトと香野菜煮込み、スープ、野菜、ごはんで2人で10000ドン(500円)。味も値段も大満足の食堂でした。
食堂の子犬ワン公2匹です。
田園風景を通ってハノイへ向かいます。カブ載せカブ。
峠から見たマイチャウ。ここは数週間前にも同じ道を通りました。あのときよりも水の張られた田んぼが多くなった気がします。
バイクを売らなければならないので、ハノイの町中来たとのころで洗車屋さんに洗ってもらいました。ケンタッキー・フライド・チキンが目の前にある立地なので洗車屋さんもちょっと高めの1台30000ドン(150円)。
このあと、水に濡れた影響でしょうか、Dream号のセルモーター、ホーン、ウインカーなどが使えなくなり、信号待ちでエンジンもプスンと止まるようになってしまいました。バッテリーのコードが断線状態になってしまったのでしょうか?
これから、売ろうって時に全く困ったものです。セルが回らないんじゃイメージガタ落ちです。水分が乾燥すれば治るのかな?ちょっと心配です。
ハノイまでのルートです。
2か月、6900キロのベトナム縦断ツーリングも終了です。
ベトナムを旅行するのに、110ccの小さなホンダのバイク、カブを選択したのは正解でした。
ベトナムは南北に長い国です。南から北へ、ときには気になる脇道を西へ東へ入りながらまわるには、小回りの利くカブが最適です。ガソリン代が1リッター120円とそう安くないベトナム、燃費がリッター50キロは嬉しい限りで、調子が悪くなっても、どこででもすぐ直してもらえました。
天気や気候をひとつとっても、南ではこんなに暑くてツーリングできるかな、と心配になったかと思えば、北のハノイでは寒くてダウンジャケットを買おうか迷ったこともありました。山岳地帯はもっと寒いだろうと覚悟していったら晴天続きでハノイよりずっと暖かかったり、変化に富んでいました。
人々の性格も南の人はおおらかであっけらかんとしているのに比べ、北は感情を外に出さない風に見えました。また、少数民族も北にはたくさんいて、女性の民族衣装の華やかさには目を奪われました。少数民族の生活レベルを見ると、昨年ツーリングしたタイやラオスでは主要国民が町に住み豊で少数民族は辺境地に住んで貧しいという図式が見えたような気がしますが、ベトナム北部の場合、少数民族の人が多数派を占める町もありました。インフラも整い、普通のベトナムの田舎と同じ生活レベルで、少数民族だから貧しいという感じは見られませんでした。
食べ物はやはり、南部が美味しかったです。そして外食文化が発展しているので、屋台も多く、町は夜も活気がありました。北部は外食は特別なときするもの、という感覚があるようで、値段も高めで料理の種類も少ないようです。中部のホイアンやフエで見かけた、ライスペーパーで肉や野菜を巻いて食べる料理が好きだったのですが、北ではほとんど見られませんでした。
ベトナムの言葉はタイ語と比べても発音が聞き取りにくく、最後まで覚えられませんでした。会話集で覚えたつもりで言ってみても、発音が悪いのでしょう、相手に伝わらないことが多かったです。指さし会話集が大活躍しました。
戦争の傷跡は町を見て回る限りは感じることはできません。若い人の中には戦争のことを良く知らない人も居ると聞きます。戦争博物館や町にある戦争記念塔を見て、ああ、この国で戦争があったんだなぁ、と思う程度です。良く見ると古い町がほとんど残っていないことも、戦争のあった証ですね。
2か月のツーリングというと、ゆっくりのように感じるかもしれませんが、実際はそうでもありませんでした。まだここまでしか来ていない、急がなきゃ、という気持ちで先へ先へ進んで、これだけかかってしまった、という印象です。
以前から、ベトナムは東南アジアツーリングに外せない国と思っていました。
2014年2月現在、残念ながら、隣のカンボジア、ラオス、中国から外国人がバイクで出入国するのは難しいようです。全ての国境で試したわけではないので、もし、情報を持っている方がこの記事を読んだならぜひ書き込んでください。
アジアハイウエー1号線は東京が基点でトルコのイスタンブールを経てヨーロッパハイウエーに通じます。日本、韓国、北朝鮮、中国、ベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマー、バングラデシュ、インド、パキスタン、アフガニスタン、イラン、トルコへと道路は通じているのに、政治が通してくれないのが現状です。
今のところ、バイクで走ってヨーロッパへ行くにはロシアを横切るのが一般的ですが、この道を通ってヨーロッパまで行ければどんなに魅力的だろうか、と思います。
各国が陸路の扉を開き、バイクで自由に旅のできる日がくることを願っています。