ぽこけん

ぽこ&けんいちによる、海外ツーリング、国内ツーリング、テレマークスキー、温泉のホームページです


11月

「ぐるり東南アジア3カ国・タイカブツーリング」その10

▼ 滝野沢優子の「ぐるり東南アジア3カ国・タイカブツーリング」その10
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聖地チャイテイヨーから北へ向かいます。次なる目的地は高原の景勝地・イン
レー湖です。インレー湖へ向かう途中、バスの乗り換えのついでに宿泊した、
バゴーという町で、ある”できごと”がありました。

バゴーで宿泊したホテルの向かいの路上には、バスチケットやバイクタクシー
を手配する店がありました。机を1つ出しただけの店の横には、そこのオーナ
ーらしい、押しの強そうなガタイのいい男がヒマそうに立っていました。

私たちが何気なくその前を通りがかったとき、
「アイツだ! 間違いない」
と、けんいちにしては珍しく語気を荒げてつぶやきました。

実は夫のけんいち、15年前に一人でミャンマーを旅して、やはりこの町に1泊
したそうです。まだ強制両替がある時代で、公定レートよりも闇レートのほう
がずっとレートがいいので、旅行者は路上で両替するのが普通だったそうです。
用心深い我が夫のけんいち。滅多なことでは騙されないのに、ここバゴーで不
覚にも両替詐欺に遭ったことを、ずっと悔しがっていました。

奇遇にもその相手に再会してしまったのです。
けんいちのほうは会った瞬間に顔を思い出したのに、その男はまったく覚えて
ない様子で、バイクタクシーの営業をしてきます。ヤツにとっては日常茶飯事
だったのでしょう、いちいち相手の顔を覚えているはずもありません。
闇両替がなくなった現在、ヤツは一応マトモな商売をしているようでした。

まさか15年ぶりにまたヤツに出会うとは…。

さらに、宿で手配してもらったバスターミナルまでのタクシーが、なんと! 
ヤツのバイクタクシーでした!
けんいちは、奇しくも15年ぶりに出会った詐欺相手の後ろに乗る羽目になって
しまったのでした。

image_214_15_39▲パゴーの町並み
image_014_15_38▲パゴーのシュエターリャウン寝仏

image_114_15_39

▲ピッタインダウンと呼ばれるミャンマーのダルマ、押すたびに起きるという意味だそうです

その後、冷房の効きすぎるバスでインレー湖へ向かいます。

インレー湖は標高900mの高原にあり、一帯は風光明媚な観光地です。ミャンマ
ー旅行のツアーには必ず組み込まれている場所ですが、ミャンマーは激増する
観光客に対応しきれず、宿泊施設が不足気味です。インレー湖周辺はとくにひ
どく、私たちが泊まるレベルのゲストハウスにまでツアー客が押し寄せていま
す。そのため、夕方には宿はどこも満室でした。そのような状況のため宿は強
気です。料金も高めで、とても値下げの交渉などできません。
「空いていたら、ラッキー♪」という状況であるため、時には食堂や寺院の空
きスペースを有料(20ドルくらい)で開放することもあるそうです。

ここでも、タクシーをチャーターしたり、ツアーに参加するのがイヤな私たち
は、宿で自転車を借りて湖周辺をフラフラと走り回りました

image_314_15_40▲インレー湖畔の町、ニャウンシュエの尼僧さん
image_514_15_41▲小坊主さんにお弁当箱の写真撮らせて、と頼んだら照れてしまいました

image_414_15_40▲片足で舟をこぎ漁をする独自の漁法を見ることができる

image_614_15_41▲ニャウンシュエの町のワン達

ローカルな集落を訪れたり、温泉に入ったり、小さなボートに自転車を乗せて
湖を渡ったり…。途中、自転車の変速機が壊れるといったトラブルもありまし
たが、ほんのちょっと押していけば修理してくれる店が見つかります。バイク
で入国できないのであれば、自転車で旅するのも良いかもしれません。欧米人
にはインレー湖周辺のトレッキングも人気のようでした。近い将来、ミャンマ
ーのアウトドアレジャー基地になりそうです。

インレー湖の次は、西へ200kmほどのバガンを訪れました。このバガンは、カ
ンボジアのアンコール・ワット、インドネシアのボロブドゥールとともに世界
三大仏教遺跡のひとつです。広大な平原地帯に3000ともいわれる大小さまざま
な仏教遺跡が林立しています。
私的にはミャンマーでの一番の見どころと思っていましたので、かなり観光地
化されているだろう…と思いきや、まだまだ庶民的な町でホッとひと安心しま
した。
image_914_15_42▲パガンの古代遺跡群

image_714_15_41▲ポッパ山

image_814_15_42▲ミャンマーで大人気の聖人ボーミーガウン

image_1014_15_43▲ミャンマーの女性は重い荷物を頭にのせて 歩く

image_1114_15_43▲パガンの町をながれるイラワジ川

パガンはA級の世界遺産に登録されてもおかしくない遺跡ですが、いろいろな
理由で登録されないようです。とてももったいないのですが、世界遺産に登録
されたら観光客が今以上にドドッと訪れ、外国資本もたくさん入って観光開発
され、アッという間に変わってしまいそうな気がします。
image_1214_15_44▲アマラプラのウー・ベイン橋、長さは1200メ-トル、木造の橋としては世界最長

image_1314_15_44▲ウー・ベイン橋

image_1414_15_45▲マンダレーヒルのニャン

最後はミャンマー中部の第2の都市、マンダレーからエア・アジアの1時間余り
のフライトでタイのバンコクへ。1月7日に入国してから2週間ほどのバックパ
ッカー旅も1月22日に無事終えることができました。
バイク旅の合間に、このような目線を変えて旅をしてみることも変化があって
良いものでしたし、改めてバイク旅の良さを実感しました。

さて、次回からはタイカブツーリングを再スタートさせます。次なる目的地は
国境越えて、タイの東隣の国ラオスへと向かいます。
無事にラオスへ入国できるのか、ドキドキです。

来週に続く。

※ミャンマーの旅の様子は、ホームページ「ぽこけん」のブログでもレポート
しています。画像や動画もありますのでぜひご覧ください!

●バゴー
http://c.bme.jp/35/3/1968/520416

●インレー湖
http://c.bme.jp/35/3/1969/520416

●バガン
http://c.bme.jp/35/3/1970/520416

●マンダレー
http://c.bme.jp/35/3/1971/520416

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週刊連載コラム、第91回はいかがでしたでしょうか。

ヤンゴンから出発し、聖地チャイテイヨー、インレー湖、仏教遺跡バガンと巡
りマンダレーで終了した滝野沢さんのミャンマー・バックパッカー旅。きっと
滝野沢さんの記憶にたくさんの「ミャンマーの現在」が刻まれたことでしょう。
バイクで入国できるようになったら、おそらく滝野沢さんは再度ミャンマーを
訪れるでしょう。その時のミャンマーはどのような状況になっているのでしょ
うか? 滝野沢さん、楽しみですね…!

来週も滝野沢さんのコラムをお楽しみに!

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旅カメラ

新しく、カメラを買いました。
オリンパス PEN E-P3 です。
価格は27800円。
安すぎです。

現在、このタイプの新モデル PEN E-P5 は10万円くらいします。
この E-P3 だって、2年前は10万円くらいしてたんですよ。
最近の家電の値段が下がるスピード速すぎでやしませんか?

私は新製品じゃなくても良い方だから、この傾向は嬉しいんですが、いくらなんでもこの値段でいいの?って感じでアマゾンでポチっと買ってしまいました。

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昨年のタイ・ラオス・カンボジアツーリングでは、ぽこ&けんいち双方のカメラとレンズに不具合が出てしまい、タイのチェンマイでカメラを1台購入するはめになりました。タイだとこんな値段では買えません。型が古くなっても新製品より少し安いくらいで、とても、とても、70%オフなどという値段では買えません。

不具合が出たといっても、私たちが愛用しているオリンパスが悪いわけでないですね。カメラの寿命はシャッターを押す回数に比例するという話を聞いたことがありますが、私たちの場合、尋常でない回数のシャッターを長旅の間、毎日切っていくので不具合が出て当然といえば当然なのかもしれません。旅の間は、いつもいつも写真整理に追われています。それでも今はデジタルだから楽になりましたけどね。

旅の途中でカメラの不具合でシャッターが切れなくなるのが一番心配です。そんなわけで、今回、こんなに安いならと、予備のために購入しました。というか、これがメインになり、今まで使かっていた E-PL2 が予備のカメラになります。

私、けんいちは、もともと、カメラとは全く縁がなく、海外旅行へ行くときも持っていかない方でした。だから、20代に旅行したインドや南米の写真はほとんどありません。目で見て脳裏に焼き付ければそれでいいんじゃないの、と思っていました。

ところが、30代に現在の妻とユーラシア・アフリカツーリングに出たときに初めてカメラを持って旅行することになりました。持って行ったカメラはコンタックスのT-VS2と富士フィルムのコンパクトデジカメ。結婚して妻に南米の素晴らしい写真を見せられ、俺もいっちょう撮ってみるか、というものでした。その頃2001年当時はデジカメはまだ主流ではなく、画素数も低く、おもちゃみたいなものでした。構図などという言葉は知らず、ただやみくもに撮っていました。

一方、妻のぽこはライターの仕事をしていたので、一眼レフカメラを当時から扱っていました。スライドフィルムで撮って、良い場面は一応、コンパクトデジタルでも撮っておくという撮り方でしたね。今、私たちの当時のデジカメ写真を見ると画像が荒くて実に勿体ないと思います。でも、当時のデジカメ技術はまだその程度だったってことですよね。

私たちは最近、雪山でも、海外でも、ミラーレス一眼を多用しています。理由は【ちょうど良い】から。一眼レフって大きくてごついでしょう?ぽこを見ていても、雪山となるとせっかく良い写真を撮れるチャンスなのに、一眼を置いてコンパクトカメラを持って行くことが多かったし、海外へ行っても、せっかく一眼があっても、重いしでかいからと、宿に置いて気軽に町歩きするときはコンパクトカメラでいいや、ってなことが多いんです。

ミラーレスデビューっていうか、カメラって面白いなと思ったのは昨年仕事をやめてから。ミラーレス一眼だと、どこへでも持って行けるし、軽くて小さいので全く負担にならない。私たちのようなカメラに素人の旅行者には、けっこうそれなりに綺麗に撮れるし、重宝しています。それどころか、最近はミラーレス一眼に出合ってから、カメラを持って外国の町をブラブラ歩くのが楽しくて仕方ありません。

次のベトナムではこの PEN EP-3 に活躍してもらいます。

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「ぐるり東南アジア3カ国・タイカブツーリング」その9

▼ 滝野沢優子の「ぐるり東南アジア3カ国・タイカブツーリング」その9
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ミャンマーのバックパッカー旅
まずは中心都市ヤンゴンから、東に位置する聖地チャイテイヨーを目指します。

ここは大岩の上に、危ういバランスを保って乗っている「ゴールデンロック」
で知られ、たくさんのミャンマー人巡礼者がやってきます。

ヤンゴンから車をチャーターする方法もありましたが、時間はかかってもなる
べくローカルな人々と同じ方法で移動したい我々は鉄道を利用しました。

image_611_39_49▲ヤンゴン中央駅

image_511_39_48▲鉄道網が発達しているミャンマー

ヤンゴン中央駅はまさしく「古き良きミャンマー」を象徴するような建物です。
中心都市の中央駅とはとても思えませんでしたが、ある意味で世界遺産級とも
いえます。

車両もその時代からずっと現役で使用しているのではないかというシロモノで、
当然のように乗り心地は最悪でした。一応、アッパークラスに乗ったものの、
冷房はなく、窓はあけっぱなし、リクライニングは壊れていて倒れっぱなし、
トイレは汚いです。一番まいったのは、直下型地震のような激しい縦揺れが突
然襲ってくることでした。脱線しなかっただけでもラッキーかもしれません。
まあ、運賃は$8なので仕方ありませんが…。

image_711_39_49▲古い車両なので横揺れ、縦揺れがひどかった

017_18_55

▲すさまじい揺れの中、絶妙のバランスで弁当を売り歩く

そんなこんなで、片道4時間の予定が2時間以上オーバーしてようやくチャイト
ーという町に到着。そこからギュウギュウ詰めのピックアップに乗って30分ほ
ど、キンプンという拠点の町へ。そこでチャイテイヨー参拝専用のトラックの
荷台に乗り替え、振り落とされそうな状態に耐えながら急坂山道を登ること40
分。麓の集落までたどり着き、今度は急坂の参道を45分ほど歩いて、ようやく
チャイテイヨーに到着しました。

image_911_39_50
▲これがゴールデンボール

image_1211_39_51▲落ちそうで落ちない不思議なゴールデンボール

image_1411_39_52▲金箔を貼り付ける巡礼者たち

チャイテイヨーは山頂部分が広い公園になっていて、周辺の山々も含めて聖地
とされています。朝一番に訪れたはずなのに、すでにたくさんの人々であふれ
かえっていました。ここで夜を明かす人も多いようで、あちこちでゴザや毛布
を敷いて宴会をしていたり(お酒なしで)と、ローカル色プンプンです。
僧衣のお坊さんたちもたくさんいて、ちゃんと聖地らしい雰囲気もあります。
外国人観光客はチラホラ見かけましたが、圧倒的にミャンマー人参拝客が多く
それだけに外国人観光客目当てのしつこい物売りもなく、居心地のいい聖地で
半日ほどゆっくりと過ごしたのでした。

image_011_39_46聖地チャイティーヨー入口

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image_411_39_48▲日焼け止めのタナカを顔に塗った少女

image_311_39_47▲聖地への参道にある売店

チャイテイヨーからの帰路は長距離バスを利用しました。バスは鉄道と比較す
ると意外にちゃんとしていて、エアコンは効くし、年々道路状況が良くなって
いるので揺れも少なく格段に快適です。ただし、路面が良くなっているため、
予定より早く着きすぎてしまうことが難点です。

「早く着いて何の問題があるの?」と思われるでしょうが、夜行バスだと困る
のです。朝7時の到着でちょうどいいと思って乗ったら、まだ外は真っ暗な朝4
時くらいにバスを下されたこともありました。明るくなるまでバスターミナル
で過ごせればいいのですが、ミャンマーにはそれもありません。何もない路上
に下されるだけだったり、ターミナルといっても屋根もないただの広場でお店
も開店していなかったり…。

自分のバイクで旅しているとこんなことはありません。景色が見られない夜行
バスを使うこともないし、暗い時間に路上に放り出されることもありません。
自由に行動できるバイク旅に慣れてしまった私たちにとって、移動を他者に委
ねるしかないバックパッカー旅は不便なことこのうえありません。

また、「ツーリスト街道」(と私は呼んでいる)に乗らざるを得ない状況にな
ることも、どうにも気に入りません。

たとえば、バックパック旅では、宿(たいていガイドブックに載っている宿)
へ到着すると次の目的地を聞かれ、希望すればそこまでの長距離バスのチケッ
トを手配してくれます。料金をボッたくられるわけでもないし、出発のときも
宿で待っていればピックアップしてくれるので、乗り遅れることもなく、ある
意味ではとても便利ですが、その一方で同じ行程で旅する他の旅行者と常に一
緒という状況になりがちです。

数年前に訪れたラオスでもそうでしたが、現地の人々が観光旅行などしない国
では、観光地から観光地、宿から宿へ運んでくれる外国人ツーリスト専用のバ
スがしつらえられ、「ツーリスト街道」ができあがります。

それに乗ってしまうと、今度は現地の人と一緒になる機会がなく、個人旅行で
ありながらツアー状態になってしまいます。かといって、そこからはずれてロ
ーカルな手段で旅をするのは至難の業です。

個人的には、バスターミナルへ行って苦労して目的のバスを探し出し、人数が
集まるのを何時間も待ったり、ギュウギュウ詰め状態に耐えたりすることも旅
の醍醐味であると思うのですが…。

そういう点で、ミャンマーの旅では最初の鉄道の移動が一番つらかったけれど、
一番よかったのかなと思います。「古き良きミャンマー」を体験できたという
点でも鉄道の旅は正解でした。そういえば、外国人ツーリストはほとんど見か
けませんでした。

ミャンマーのバックパッカー旅、この後は北へ向かい、インレー湖、バガン、
マンダレーと続きます。

来週に続く。

※ホームページ「ぽこけん」のブログでも旅のレポートをしています。
画像や動画もありますのでぜひご覧ください!

●聖地ゴールデンロックへ1
http://c.bme.jp/35/3/1802/520416

●聖地ゴールデンロックへ2
http://c.bme.jp/35/3/1803/520416

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週刊連載コラム、第90回はいかがでしたでしょうか。

聖地チャイテイヨーへ向かった滝野沢さん。なるべくローカルな人々と同じ移
動手段を選び、鉄道、ギュウギュウ詰めのピックアップ、参拝専用のトラック
の荷台を乗り継ぎ、たどり着いたチャイテイヨーでした。
ほとんどが最悪の乗り心地だったと思いますが、”ミャンマーのいま”が身を
持って実体験できたのではないでしょうか。また、このような経験が後々いい
思い出になるのだと思います。

来週も滝野沢さんのコラムをお楽しみに!

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「ぐるり東南アジア3カ国・タイカブツーリング」その8

▼ 滝野沢優子の「ぐるり東南アジア3カ国・タイカブツーリング」その8
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2013年1月7日。格安航空会社最大手のエア・アジアでミャンマーへ出発すべく、
タイ北部のチェンマイから首都バンコクのドンムアン空港へ向かいます。

ドンムアン空港といえば、かつてはタイの空の玄関で、バックパッカーなら誰
もが一度は利用したことのある郷愁の空港です。あの頃のタイは、もっと混沌
としていて、猥雑で、無秩序で、汚くて…。でも、おもしろかったなぁ…。

その後、経済発展したタイは東南アジアをリードする存在になり、かなり先進
国側に近い位置にいると私は認識しています。

便利で快適な反面、刺激も少なくなってしまい、私の中ではバンコクは旅先と
いうよりも東南アジアの旅の拠点という感覚です。旅慣れてしまったから…、
という理由もあるけれど、なんだかさみしいです。

そんなタイの古き良き時代の象徴だったドンムアン空港。2006年にスワンナプ
ーム空港が開港してからはまったく利用する機会がなくなってしまい、どうな
っているのだろう…と思っていたら、エア・アジアを中心にいくつかの格安航
空会社の拠点空港として、けっこうな賑わいをみせていました。
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▲ヤンゴン市内の路上で売られていたカレンダー、軍事政権時代には考えられないことだった

さて、これから訪れるミャンマーといえば、軍事政権によって何年も軟禁状態
であったアウンサン・スーチーさんが解放されたことが耳に新しいですが、そ
れはごく最近、2010年のことです。

その後、各国がビジネスチャンスを狙ってミャンマーに押し寄せ、観光客も激
増しています。アジアで今、もっとも注目されている国と言っても過言はない
でしょう。この調子だと、タイよりもずっと短期間で変わってしまいそうです。

バイクでの入国はまだできませんが、「古き良き時代のミャンマー」を体感す
べく、今回、無理して東南アジアツーリングの途中でミャンマー行きのバック
パッカー旅を組み込んだのです。

ミャンマーの旅は約2週間。

南部のヤンゴンから入り、聖地チャイテイヨー、風光明媚なインレー湖、最大
の見どころで仏教建築群のあるバガン、第2の都市・中部のマンダレーと、南
から北へ向かって観光ポイントを繋ぐ定番コース。何しろミャンマー初心者だ
し、バックパッカーなので、あまり寄り道はできません。

image_010_33_46▲エアアジアでミャンマーのヤンゴンへ

ヤンゴンへはバンコクからほんの1時間のフライト。満席のエア・アジアは、
アッという間にヤンゴン空港に到着しました。

東南アジアのハブ空港であるタイのスワンナプート空港と比べると、ヤンゴン
の空港は小さくて質素。街には光が少なく、広告もわずかで、すっきりした感
でした。社会主義国みたい!?(ミャンマーはどうでしたでしょう…?)
でも、それだけじゃなくて、なにかが足りない…。なんだろう?
そうだ! バイクがいない!

719_21_41▲首都ヤンゴンの中心部、タイの地方都市とくらべても圧倒的に暗い

タイではあれだけたくさんのスクーターが走っていたのに、ミャンマーに到着
したとたんに1台も走っていないのです!
自転車もごくごく少ないし、どうなっちゃってるのでしょう…?

ミャンマーではバイクを販売していないのか? そこまで遅れているのか? 
と思いましたが、ヤンゴン市内はバイクの乗り入れが禁止されているとのこと。
良かった…。地方へ行ったら、しっかりスクーターが走っていました。

そんなことで、ヤンゴン市内にはバイクは走っていないけれど、街は埃っぽい
し、あちこちで車のクラクションが鳴り響き、無秩序な状態です。こんな町中
に、タイのようにスクーターがドドッと押し寄せたとしたら、絶対に収集つか
なくなるので、市街地でのバイク走行を規制しているのかもしれません。
012_31_50▲路上の貸し電話屋さん
image_410_03_08▲男女ともロンジーという腰巻布姿が一般的

携帯電話はまだ普及してないようで、路上の電話屋さんも健在。噛みタバコの
屋台があちこちにあり、ロンジー姿(布をスカートのようにして巻いて履く民
族衣装)も多く、女性や子供は顔に「タナカ」という白い粉を頬に塗っていま
す。

近代的でおしゃれなバンコクと比べると、同じ時代の、すぐ隣の国とは思えま
せん。何十年か前の、私の知らない時代のタイにタイムスリップしたようです。

また、人々の顔つきもタイとは確実に違います。インド、バングラディシュに
接しているため、浅黒くて彫りの深いインド系の人々も多く、バングラディシ
ュに近い雰囲気ですが、人口密度も低くて人々もやさしく、のんびりした雰囲
気です。

中央アジアを旅したときにも感じましたが、陸路でアジアからヨーロッパへ旅
をすると、少しずつ人種も文化も変わっていく様子がよくわかり、おもしろい
のです。中央アジアでは、ウズベキスタンがそうでしたが、東南アジアでは、
ミャンマーがまさに分岐点のようです。

612_31_59▲ごちゃごちゃと無秩序なヤンゴンの裏通り

image_210_03_07
▲ホテルの屋上から見た町の様子

512_31_58▲路線バスの車内

image_010_03_02▲路上の屋台

image_510_03_08▲ヤンゴンのお寺

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▲お寺の内部

ヤンゴンでの初めての夜は、路上の食堂で1杯60円の生ビールで乾杯!
お酒に関してはタイよりずっとオープンで、安食堂でもたいてい生ビールがあ
り、ビアホールもありました。お店では、地方から上京してきたのか、口減ら
しか、小学生から中学生くらいの子供たちが大勢働いていました。
このような光景も、もうタイではほとんど見られなくなりました。

初めての国ということもあって、なんだかワクワクしています。
ヤンゴンには2泊し、いよいよバックパッカー旅へ出発です。

来週に続く。

※ホームページ「ぽこけん」のブログでも旅のレポートをしています。
画像や動画もありますのでぜひご覧ください!

●ミャンマーの首都ヤンゴンへ飛んできました
http://c.bme.jp/35/3/1704/520416

●最新ヤンゴン事情
http://c.bme.jp/35/3/1705/520416

●聖地ゴールデンロックへ1
http://c.bme.jp/35/3/1706/520416

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週刊連載コラム、第89回はいかがでしたでしょうか。

無事、ミャンマー南部のヤンゴンに到着した滝野沢さん。
空港から市内へ向かう時間が、最もワクワク・ドキドキする瞬間だと思います。
「街には光が少なく、広告もわずかで、すっきり」な感じと、「バイクが1台
も走っていない」光景に少し違和感を覚えつつ、「猥雑で、無秩序なところ」
に古き良き東南アジアの姿を体感したのではないでしょうか。
人種や文化の分岐点である「ミャンマー・バックパッカー旅」が楽しみです。

来週も滝野沢さんのコラムをお楽しみに!

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「ぐるり東南アジア3カ国・タイカブツーリング」その7

▼ 滝野沢優子の「ぐるり東南アジア3カ国・タイカブツーリング」その7
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2013年1月1日はメーサローンという山間の村で迎えました。この地で初日の出
を拝めるかと思いきや、この一帯が山岳地帯だからでしょうか、霧が濃くて10
時頃まで太陽が出てきませんでした。最近問題になっている中国のPM2.5とは
違い自然由来の霧なので、その点は安全安心です。

image_108_56_05▲民族衣装でパフォーマンスをする子供たち

image_008_56_04▲貸衣装で記念撮影するタイ人観光客

タイ北部の山岳地帯には観光農園や山岳リゾートが点在しています。そのほと
んどで大規模な少数民族マーケットが開催されていました。鮮やかな民族衣装
の子供たちがダンスやパフォーマンスを披露して、とても盛り上がっていまし
た。近年、タイでは民族衣装姿で生活する人は少なくなったと聞いていました
ので、子供たちがいまひとつ面白くなさそうな表情でダンスをしているところ
から、日本の和服同様、特別な日や観光客向けにわざわざ着ているものと思わ
れます。一方で、はしゃいで記念撮影をしている民族衣装の女子もいました。
この女子は都会からのタイ人観光客でした。貸衣装もあるのですね。

そんな町や村で行われているイベントと山岳風景を楽しみつつ、カーブの多い
山岳地帯を下って行くとミャンマーとの国境の町、メーサイへ到着しました。
image_208_56_05▲活気のあるメーサイのマーケット

image_308_56_06▲橋を渡った対岸はミャンマーのタチレイ

国境の橋は両国を行き来する人や車で混み合い、メーサイの町中もミャンマー
から買い物に訪れる人で活気に溢れていました。山岳リゾートとは対照的に庶
民的で雑然とした雰囲気ですが、アジアならではのゴチャゴチャ感に旅気分が
盛り上がってきます。

川のすぐ対岸に見えるのは、ミャンマーのタチレイという町です。

私たち外国人旅行者もミャンマー側のイミグレーションで10ドルを支払い、ミ
ャンマーの入国許可証を発行してもらえば、ビザなしでタチレイ市内のみ14日
間まで滞在可能です。しかし、バイクでの入国は無理で、さらにミャンマーの
他の都市にも行くことはできません。いつかはバイクでタイから国境を越えて
ミャンマー国内を自由きままなバイク旅ができるようになると良いのですが…。

ところで、タイ北部には「メーサイ」「メーサローン」「メーホーンソン」な
ど、「メー」が付いている地名が多く、これは「お母さん」という意味のよう
です(メーサイは「母なるサイ川」という意味かな)。
ほかに「チェン」と付く地名もいくつかあり、こちらは「町」という意味です。
私見では「チェン」が付くほうが町の規模が大きいように思いました。

あいかわらずタイ語はまったく読めず、会話もいまひとつ覚えられないという
状態でしたが、そこは旅慣れている我が身、どうせ英語も通じないとなれば、
日本語で押し通します。なぜか、それでもけっこう通じました。image_408_56_07▲レンタルバイクでツーリングするアメリカ人

メーサイでは、カワサキのニンジャに乗った60歳前後のアメリカ人ライダー
出会いました。彼は「近い将来タイに住みたいので、どこかいい町を探しなが
ら1カ月ほどツーリングしている」とのこと。そのような目的でタイをツーリ
ングしていることは、ちょっと新鮮な驚きでした。ちなみに1カ月のレンタル
料金は約6万円とか。

メーサイからはひたすらメコン川の支流であるサイ川沿いに進み、ゴールデン
トライアングルに到着しました。ゴールデントライアングルは、メコン川との
合流地点で、タイ、ミャンマー、ラオスの3カ国の国境が接しているから「ト
ライアングル」なのです。
ただそれだけで、とくに絶景が見られるスポットというわけではありませんが、
ラオスに少しだけ上陸できるメコン川のボートクルーズが人気です。
image_708_56_08▲ゴールデントライアングルは今やタイ人観光客でいっぱい

image_608_56_08▲タイ、ラオス、ミャンマー3か国の国境が接している

image_508_56_07▲メコン川クルーズも人気

20年ほど前にチェンマイからツアーでこの地を訪れたことがあり、その時は、
「世界最大の芥子栽培地帯で麻薬や覚せい剤が密造され、マフィアが暗躍して
いる無法地帯」という触れ込みもあったので、何やら怖い印象があり、おどお
どしながら見学したことを思い出しました。いまやそんなイメージは皆無です。
私たちが訪れたのが正月ということもあるのか、駐車場は立派な車で満杯、大
型バスもドンドンやって来て、家族連れがたくさんいました。
ゴールデントライアングルで「麻薬」「マフィア」を連想できる場所は、「オ
ピウム博物館」くらいで、タイではほぼ麻薬は撲滅されたようです。

ここもやはりタイ人観光客が大多数を占め、その点も20年前とは違いました。
以前は外国人観光客ばかりで、日本人の若者もたくさんいました。
「タイも経済発展したんだなぁ」と思う一方、日本人が減っているという事実
は、日本経済の斜陽を如実に物語っている感じを受けてしまいます。

ひと昔前、世界を旅する東洋人の旅人のほとんどが日本人でした。しかし、現
在は中国人や韓国人が主流で、マレーシア人、シンガポール人などもいます。
これはアジア全般が経済発展している証拠で、そのうちアジア各国の物価が日
本と変わらなくなり、私たちがこのように旅している東南アジアツーリングも
国内ツーリング並みにお金がかかるようになるのでしょうか。
参考までに、我々の東南アジアツーリングでの予算は、すべて含めて2人で1日
4000円前後。アジアの国を安く旅できるのも、もしかしたらあとわずかなのか
もしれません。

image_1108_56_10▲メコン川沿いはツーリングの好ルート

image_808_56_08▲メコン川沿いの屋台で食事する家族

image_908_56_09▲チェンセンから見たメコン川の夜明け

image_1408_56_12▲メコン川沿いのお寺にて

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▲メコン川沿いの食堂で昼食

image_1208_56_11▲チェンコーンでパンク!でも大丈夫、修理屋さんは至る所にあります。

image_1308_56_11▲チェンコーンの学生お坊さん

さてさて、たいしたことはなかったゴールデントライアングル見学後もずっと
メコン川沿いの田舎道をのんびりと走ります。

メコン川はゆったりと流れながら、広くなったり狭くなったり、中洲があった
り、岩礁があったり、と様々な表情を見せてくれます対岸のラオスの様子も見
ながら、のんびり走れるカブのツーリングでは、うってつけのコースです。
有名観光地のゴールデントライアングルよりも、バイクでめぐるメコン川ツー
リングのほうが、ずっと楽しくてオススメです。

そうしてメコン川沿いを満喫しながらチェンセン、チェンコーン、チェンライ
といった「チェン」と「メー」の町や村を巡りつつ、タイ北部の9日間をかけ
たツーリング第2弾はひとまず終了しました。

次は、タイの隣国ミャンマーへ2週間のバックパック旅行へ出発します。

来週に続く。

※ホームページ「ぽこけん」のブログでも旅のレポートをしています。
画像や動画もありますのでぜひご覧ください!

●メーサイ
http://pocoken.com/?p=3899

●チェンコーン・チェンライ
http://pocoken.com/?p=3924

●チェンライ→温泉→チェンダオ
http://pocoken.com/?p=3947

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週刊連載コラム、第88回はいかがでしたでしょうか。

現在、タイのゴールデントライアングルは様変わりしていた、とありました。
無法地帯であった時はどのような感じだったのか、イメージすらできませんが、
かつての無法地帯であったことと3国の国境地帯ということが、現在、観光で
訪れる一番のポイントなのかもしれませんね。
それと、旅する東洋人の話がありました。近年、日本でもアジア諸国からの旅
人を目にする機会が増えた気がします。諸外国を旅する日本人も減っていない
ように思いますが、それ以上にアジア諸国の経済発展とともに、それらの国の
旅人が増えているからこそ、そのような実感を持つのかもしれません。

来週も滝野沢さんのコラムをお楽しみに!

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「ぐるり東南アジア3カ国・タイカブツーリング」その6

▼ 滝野沢優子の「ぐるり東南アジア3カ国・タイカブツーリング」その6
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先週は、急遽「犬」のお話しでしたが、今週からツーリング話へ戻します。

先々週のタイ北部のミャンマー国境付近を10日間ほど旅したあと、2012年から
2013年の年末年始にかけて、次なるツーリング第2弾へ出発です。

第2弾は、高橋さんの家があるチェンダオから真北に進み、山岳地帯を抜けて
メコン川に出たらラオス、ミャンマー国境のゴールデントライアングルを経由
した後に南下し、またチェンダオに戻るという9日間のコースを組みました。

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▲チェンダオを出発

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▲ミャンマーとの国境付近

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▲軍のチェックポイントを通過

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 ▲ミャンマーに近いタートンのお寺

ゴールデントライアングルといえば、少し前までは世界最大の麻薬密造地帯と
して知られる無法エリアでしたが、現在、少なくともタイ側ではそのような雰
囲気はありません。高級リゾートがあったり、遊覧船が出ていたり、大勢の観
光客が集まる、とても明るい観光地になっています。山岳地帯にはたくさんの
少数民族も暮らしていますし、チェンライ、チェンセンといった古都やメコン
観光もあるので、観光で訪れるにはバラエティ豊かなところです。
第1弾のミャンマー国境沿いコースよりも断然ポピュラーなのです。

バイクで旅する私たちは、有名観光地へ直行という訳ではなく、途中の小さな
村々に立ち寄りながら旅をします。

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▲アルノタイ村の入り口

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▲アルノタイで食べた焼き餃子

 

チェンダオを出発し、まずはミャンマー国境の山岳地帯にあるアルノタイとい
う町へ向かいました。アルノタイの町は、共産党から逃れてきた中国国民党の
残党が暮らしているそうで、たしかに街中には漢字の看板も多く、麻雀に興じ
ている人々もいました。店先には中国語の新聞も並び、まるで中国の農村を訪
れているように感じました。

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▲メーサローン村で泊まった宿

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▲メーサローンで会った親子

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▲メーサローンの路地裏

私たちが2013年の新年を迎えた山岳地帯のメーサローンという村も、やはり中
国の雲南省から来た中国系の人々と少数民族が共存して暮らしているところで、
市場では中国語が飛び交う一方、色鮮やかな民族衣装姿の人々が歩いています。

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▲メーサローンの町並み

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▲メーサローンの市場の食堂

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▲メーサローンの市場、アカ族の女性

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▲メーサローンの市場

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▲メーサローンの市場

タイ北部の国境地帯には、少数民族だけでなくミャンマーや中国から来た人も
多いようです。陸続きだからこその独特な文化の融合は、島国である日本では
体感することがないだけに、なんとも不思議でした。

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▲タイ北部の山道を進む

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▲タイ北部の小さな村を縫いながら旅は進む

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▲急カーブが連続する場所も

その先もメコン川に出るまでかなりの山道を走りましたが、景観はとてもすば
らしいものでした。道路の状態も東南アジアの先進国・タイだからなのでしょ
うか、きちんと舗装されていました。標識も(タイ語だけの場合も多い)一応
ありますので、地図とにらめっこしながら進むのも楽しかったです。ただし、
110ccのカブでは、登りでヒイヒイ、下りで加速しすぎないよう(ドラムブレ
ーキのため)とても気を使う運転を強いられて、かなり必死でした。

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▲ガソリンの自販機

ガソリンはまったく心配ありません。たとえガソリンスタンドがなかったとし
ても、集落には手回しの器械での量り売り、最悪、瓶詰めを購入できます。
さらにガソリンの自販機を見かけました。これには正直驚きました!
ある意味、タイってすごいのかもしれません。

ついでに、辺鄙な村でもセブンイレブンがあったことにも驚きました!
さすがに24時間営業ではありませんでしたが、村一番の先進的?な場所のよう
で、若者の溜り場になっていました。

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▲いくつもの峠を越えていく

さて、タイ北部は、12月~3月にかけて乾季のため雨の心配はありません。加
えて、暑くもなく寒くもない爽やかな高原の気候はツーリングに最適でした。
お茶やコーヒーの産地であるので、ときどき高級リゾートや観光農園もあって、
暑いタイとは思えない風景が広がっていました。ただ、ちょうど年末年始と重
なったからなのでしょう、タイ人観光客の車や観光バスがたくさん来て、場所
によっては大渋滞しているところもありました。

中国もそうですが、経済発展が著しいタイは旅行ブームのようです。タイ国内
の観光地は外国人よりもタイ人観光客が断然多いのです。とくに涼しい北部の
山岳地帯には、バンコクといった南部から避暑にやって来る人が多いようです。
南部から来るタイ人観光客の特徴は、みんな異様に厚着をしていること。なか
にはダウンジャケットを着ている人も見かけました。

確かにタイ北部の高原地帯は、標高が1000m前後はあるので涼しい場所ですが、
ダウンジャケットを着こむほど気温が下がることはありません。
バイクで走っている私たちは長袖に夏用ジャケットで十分でしたが、南部から
訪れるタイ人観光客は無理やりでも冬の格好がしたいそうです。
1年中暑い気候だからこそ「冬」に憧れるのでしょうか。
高橋さんから聞いた話では、タイの女の子に「日本に雪を見に行かない?」と
誘えば、ほぼ100%の確率で成功するとか…。

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▲キャンプを楽しむタイの人たち

また、アウトドアも流行りはじめたようで、タイではテントで寝るのがお洒落
で都会的なようです。ただ、まだまだ設備のそろったキャンプ場は少ないため、
森林公園やホテルの庭などにテントを張っている人もいました。ときには民家
の庭にテントを張って、無理やり?アウトドアライフを楽しんでいる人も…。
ちなみに、まだ山ガールは出現していないようでしたが、この感じだとデビュ
ーも近そうな雰囲気です。

さて、タイの山岳地帯で2013年の新年を迎えた私たち。
来週はメコンへ向けて降りて行きます。

※ホームページ「ぽこけん」のブログでも旅のレポートをしています。
画像や動画もありますのでぜひご覧ください!

●中国文化の残るアルノタイからタートンへ
http://pocoken.com/?p=3820

●メーサローンで市場観察
http://pocoken.com/?p=3854

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週刊連載コラム、第87回はいかがでしたでしょうか。

タイ北部の山岳地帯へツーリング第2弾に出かけた滝野沢さん。
北部の山岳地帯は、中国と首長族を始めとした少数民族が暮らす文化が独特に
融合した何とも不思議で、興味深い地域のようですね。
世界地図を眺めると、旅の拠点にしているチェンダオから、タイと国境は接し
ていない中国まで直線にして約300kmの距離でした。
それと、タイ国内で旅行ブームやアウトドアブームとは、何とも意外でした。
来週はメコンとゴールデントライアングルのお話になるのでしょう。

来週も滝野沢さんのコラムをお楽しみに!

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「ぐるり東南アジア3カ国・タイカブツーリング」その5

▼ 滝野沢優子の「ぐるり東南アジア3カ国・タイカブツーリング」その5
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東南アジアツーリングのお話も5回目になりました。

先週、やっとツーリングの話がスタートしたところですがスミマセン。
今週はちょっと脱線してタイの「犬」のお話です。

「犬には興味がないよ!」っておっしゃる方もいらっしゃるでしょうが、タイ
と犬は、実は深~い関係にある(私見ですが)ので、雑学として知っておくの
も損はないと思いますので、しばしお付き合い下さい。

かくいう、私は「地平線犬倶楽部」なるものを主催、その代表を務めています。
おもな活動は世界各地の犬写真を撮ることですが、その活動を通して判明した
ことがあります。それは、東南アジアは犬だらけという事実です。
東南アジアには、鎖でつながれることなく自由に暮らしている犬が多く、犬ウ
ォッチャーにとってタマラナイ場所なのです。でも、ここでいう犬は血統書付
きのお嬢様・お坊ちゃま犬ではなく、あくまでも雑種犬のことですので、その
点あしからず…。

その東南アジア諸国の中でも、犬にとって住みやすいのは断然、タイだと思い
ます。その理由はタイの国王が犬好きだからです。

img_582154_10685894_0▲タイのプミポン国王が愛犬について書いた本、タイでベストセラーになり日本語版も出版されています

在位67年と世界最長の在位期間を誇り、タイ国民に大人気のプミポン国王は、
バンコクの路上で拾った犬を引き取って、育てています。さらに、その引き取
って育てている犬の本まで出版し、これが80万部を超えるベストセラーになり
ました。(和訳された日本語版のタイトルは「奇跡の名犬物語」です)

img_582154_10685894_2▲トーンデンのお母さん犬

国王の愛犬の名は「トーンデーン」。

1998年9月、プミポン国王がバンコクの病院を公務で訪れた際、近所の住民が
世話をしていた野良犬4匹が、当局に処分されるのを知った国王は、処分を中
止させました。そのときに助けた野良犬「デーン」が産んだ子犬の1匹が「ト
ーンデーン」です。

本を読むと国王が「トーンデーン」を可愛がる様がよくわかります。
とっても賢くて、公務にも連れて行っているそうですよ。

「トーンデーン」について、次のブログ記事を見つけました。
http://mapple.bme.jp/bm/p/aa/fw.php?i=mapple1015&c=1231&n=520416

現在はプミポン国王ともども、かなりの高齢になっているようですが、「トー
ンデーン」も国王もまだまだ顕在! 元気でよかった!

国王は、ほかにもたくさんの犬を保護しているそうで、バンコクで現地の人に
聞いた話では、ホアヒンにあるお屋敷では100匹くらいの犬を飼っているとか。

img_582154_11576210_4▲アユタヤ遺跡の中で見かけた子犬たち、住民たちが面倒をみていました

Mae Ramphung(ラヨーン近く)Thailand P2194419▲チェンマイの町中にも犬がウロウロしていました

P1020642▲放し飼いの犬が多く、野良も一緒にワンライフを楽しんでいます

そんな犬好き国王の影響なのか、タイではあちこちで犬を見かけます。しかも
犬たちは自由に暮らしています。路上やお店の中、さらには首都バンコクの中
央駅にまで犬が入り込んでいますが、誰一人、邪魔もの扱いしたり、しかめっ
面をしたりすることはありません。
かといって、私のように「カワイイ!」と近寄って写真を撮ったりすることも
なく、タイの人たちはみんな、そこに犬がいるのはあたりまえな感じです。
どこかの国のように食べられることもありません。

P1030801▲記念撮影をしていたら、どこからかワンがやって来ました

地域犬活動も盛んで、「捕獲し、不妊手術し、同じ場所に放して世話をして、
一世代限りの命を全うさせる」T.N.R.運動(=Trap, Neuter, Returnの略)も
行われているニュースも見聞きしました。T.N.R.は殺処分よりも経費的に安く、
平和的な解決方法です。
民間の動物愛護関係者の間では常識なことなので、ぜひ日本でも取り入れてほ
しいと感じています。

そんなタイでも殺処分がゼロという訳ではなく、ときどき行政の車が来ては、
首輪のない犬を捕獲していくとのこと。そのためか、近年は自由にしている犬
でも、そのほとんどが首輪をしています。飼い犬か、地域犬か、野良犬かは、
判別できませんが、どの犬も日なが一日ブラブラ、ダラダラ過ごし、ときどき
犬同士で喧嘩したりしていて、なんだか楽しそうです。

P3246859▲チェンマイ郊外のドイ・ステープにて

Pataya(Thailand)  P2224560▲バンコク近郊のリゾート、パタヤにて

Pataya(Thailand)  P2234588▲同じくパタヤにて

Pataya(Thailand)  P2234593▲パタヤのワット・プラヤイにて

Pataya(Thailand) P2214476▲パタヤのビーチにて

日本のガイドブックでは、「野良犬に注意」といった記載を見かけますが、
イの犬の多くは、ストレスがないためなのか、人間に対して吠えません。まし
てや危害を加えることはないと思います。彼らも人間に優しくされれば、うれ
しいはずなので「注意」はしても、いじめたりイヤな顔をしたりしないでほし
いです。

PC230290▲スコータイ遺跡でお昼寝中

PC230314▲スコータイ市場にて、後ろではおばちゃんが昼寝中

PC300351▲タイ北部メーサローンにて、猫と仲良しの犬

無題1▲ご主人の運転するタイカブのサイドカーに乗るワン

日本では見かけなくなった自由な犬たちは、もはやタイ名物と言っても過言で
はありません。みなさんも、タイへ行く機会があったら、ぜひ犬たちにも目を
向けてみてください。

プミポン国王の愛犬「トーンデーン」の話と、バンコクにいる「トーンデーン」
のお母さん犬「デーン」に会いに行ったとう話を以前、ブログに記しています。
タイの犬たちもたくさん紹介していますので、ぜひご覧下さい!

■ブログ「地平線犬倶楽部」(震災以降、更新しないままでした…)
http://mapple.bme.jp/bm/p/aa/fw.php?i=mapple1015&c=1232&n=520416

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週刊連載コラム、第86回はいかがでしたでしょうか。

世界各国の旅を通じて、犬にも目を向けている滝野沢さん。
今週のメルマガを読んで、初めてタイの国王が犬好きということを知った方も
たくさんいらっしゃったのではないでしょうか。
また、興味を持たれた方はブログ「地平線犬倶楽部」や「トーンデーン」につ
いて書かれた「奇跡の名犬物語」を読んでみて下さい。

来週も滝野沢さんのコラムをお楽しみに!

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