ぽこけん

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フィンランド 2002年8月1日~8月14日

フィンランド 2002年8月1日~8月14日

■ラップランドはたいくつなのだ<8月1日~5日/イナリ湖>

ノルウエーからフィンランドへ入国したのは夕方6時。マイナーなルートのせいか何もない。途中で一軒だけ見かけたGS兼スーパーは閉まっていたし、その先100kmほど進んでも森と湖が続くだけ。トナカイがときどき道路を横切るくらいで、人の姿もなければ店などないので、その晩はビールもないさみしい夕食になった。
翌日も大自然の中をひたすら進み、ようやくイナリ湖に到着した。
ここはラップランド地方。サーメ人のふるさとだ。サーメ人はノルウエー、スウェーデン、フィンランド、ロシアにまたがる極地に住んでいる民族で、独自のサーメ語を話しトナカイの放牧をして暮らしている。そうはいっても、実際に伝統的な生活を続けているサーメ人は本当にいるのか疑問。ほとんどは近代的な定住生活を送っているのだと思う。みやげ物屋さんなどで民族衣装を着ている人も、普段は立派な家に住んで電化製品に囲まれて暮らしている。
それにしてもフィンランドはフラットで単調な風景が延々と続くだけで退屈してしまう。釣りもダメ。地形が平坦で水深も浅いため、岸からでは狙えず、ボートを使わなければ釣れないし、ボートを借りるのはお金がかかる。でっかいシャケを抱えた釣り人の写真が満載されたパンフレットを見ながらタメイキ。ああ、タダで大物が釣れたノルウエーはよかったなあ。

 

 

 

 

 

 

 

■北極圏を脱出<8月5日/ロヴァニエミ>

ロヴァニエミという町は北極圏の境界線上にある。人口3万程度とはいえラップランドでは最大の街。私たちにとっても久しぶりの都会だ。
ここには「サンタクロース村」というものがあり、1年中サンタクロースがいて、一緒に写真を撮るのが最大の売りモノ。そのほかにクリスマスグッズの店やレストランが並んでいるバリバリの観光施設。健ちゃんがもっとも苦手とする類のところだけど、何もない北極圏を走ってきたことだし、敷地内に北極圏の境界線が描かれているし、入場料もかからないので寄ることにした。まだ暑いしクリスマス気分にはとてもなれないけれど、ここの郵便局では、クリスマスにハガキが届くようにしてくれるシステムがあり、日本に何枚か送った。絵ハガキも切手も、ちゃんとクリスマス用のものが用意されている。
ロヴァニエミを離れるとトナカイの姿も見なくなり、街と街の間隔も短くなって人家や畑も増えてきた。
俗世に戻ってきたのだ。そして白夜は終わり、暗い夜が戻ってきた。南下するにつれて暖かくなって天気も良くなってバイクで走っていても気持ちがいい。
こうなると白夜の北極圏が懐かしい。ラップランドでは冷たい雨に降られ暴風に吹きつけられ、「早く暖かいところへ移動したい」、と思っていたのに、おかしないものだ。

■バイクのプロブレム連発<8月5日~11日/ロヴァニエミ→ハンコ>

ラップランドで私のセローのリアホイールのベアリングが壊れた。走行4万5000km、普通なら壊れることはない距離だけど…。とりあえずボールを抑え込み、その場しのぎの応急処置で南下した。健ちゃんのほうもリアホイールのスポークが2本だめになっている。イタリアで直した部分だった。バイクもノルドカップまで行って気が抜けたのだろうか?
なんとか600kmほど走ったところで、ベアリングがいよいよダメになってしまった。途中の町でちゃんと直しておけばよかったのに、首都ヘルシンキまで走ってしまおう、と欲張ったのがいけなかった。
壊れたベアリングを取り出し、スペアのベアリングをはまるところまで入れてさらに応急処置をした。壊れたのは左にはまっていた2つのベアリングで、右のほうは大丈夫だったので、これで少しは行けるだろう。
それにしても火事場のバカ力じゃないけど、不充分な工具と技術でも、どうにかこうにか走るようにしてしまう自分に感心した。恥ずかしながら、私はパンク修理くらいしか満足にできないのだ。
その状態で2時間ほど走っていると、ヘルシンキの手前100kmの街でバイクショップを見つけ、ベアリングを新しいものに交換してもらった。これで完璧だろう!
と思ったのも束の間、翌日、200kmほど離れたハンコという港町で、今度は右のベアリングがブレイクしてしまった。どうして? すっかり安心していただけに、ショックは大きい。
今度はスペアも持ってないし応急処置もままならない。それに、もう土曜日の夕方。ショップは開いてないからどうすることもできない。明日も日曜日でどこもお休み。下手に動いて途中でどうにもできなくなったときに困る。お店が開く月曜日まで動かずにいたほうが賢明だ、ということで、郊外の松林の中に野宿地を見つけてテントを張った。こんなとき、いつでもどこでも泊まれる野宿道具は本当にありがたい。
それにしても、どうしてまた壊れたんだろう? シャフトを抜いてよく見ると、左右のベアリングとスペーサーの間に、2、3㎜の隙間があった。もしかしてこれが原因じゃないか? シャフトの先も壊れたベアリングが削ったためか溝ができている。
この先はバルト3国。旧ソ連の国だけに、バイクのパーツもあるか心配だし、英語も通じにくい。フィンランドでしっかりと直しておきたい。
ここから出ているフェリーに乗ってドイツに行き、ドイツで完璧に修理してもらおうか。いろいろ考えながら林の中で週末を過ごした。

■やっと修理完了<8月12日~13日/ハンコ~ヘルシンキ>

月曜日、ハンコの町に行ってみる。小さい町なのでバイク屋はなく、ダメもとで車の修理屋さんで聞いてみると、ベアリングも置いてあったし、修理もできるとのこと。よかった!
原因は予想通りスペーサーが短くなってベアリングとの間に隙間ができ、走っているうちに振動でスペーサーが動いてベアリングを押しているうちに、壊していたのだった。
メカニックの人はベアリングの部品をカットしてスペーサーに溶接しその隙間を埋め、しっかりベアリングも固定してくれた。仕事も丁寧だったし、今度こそ大丈夫だろう。ここは車のほかにモーターボートや農機具のエンジン、自転車など何でも直している。バイク屋さんよりもこういう何でも屋さんのほうが頼りになる存在なのだ。
一方、健ちゃんのスポークはここでも合うものがなくて修理できず、ヘルシンキで数軒たらい回しにバイク屋を回った挙句、ようやくヘルシンキのパーツショップを紹介してもらい、そこでサイズの合うスポークを入手、修理できた。結局、発覚してから修理完了まで1週間。そのためにヘルシンキはまったく観光もせず、バイクショップめぐりに終始してしまった。ああ疲れた。

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