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デンマーク・スエーデン・ノルウエー 2002年6月28日~8月1日

デンマーク・スエーデン・ノルウエー 2002年6月28日~8月1日


 

 

 

 

 

 

 

 

■バルト海を渡る<6月28日/デンマーク>

北欧とはデンマーク、スウェーデン、ノルウエー、フィンランドにアイスランドを加えた5ヶ国をいう。そのうち一番南に位置するのがデンマーク。ドイツと陸続きだけどバルト海に突き出ているので、フェリーもいろんな町からたくさん出ている。
その中でも一番距離の短いフェリーの出る町を目指して進んでいくと、道路がそのままフェリー乗り場に直行していて、高速道路の料金所のようなゲートがあった。ここでお金を払ってそのまま乗り込むようになっている。実に合理的なシステム。1時間おきに24時間運航されているので予約などする必要もなく気軽に利用できる。でも、たったの1時間しか乗らないのにバイク1台26ユーロ(約3000円)と高く、値段の点では気軽に利用できないのだった。
ドイツ出国、デンマーク入国には出入国審査もなくパスポートのチェックさえしない。EUの国の間では、もう国境はないも同然のようだ。
ところで、デンマークは童話作家アンデルセンの国でもある。まるで童話の世界のようなかわいらしい家並みが続いていて、とってもいい感じ。デンマークの人もなぜか親切で、ちょっと止まって地図を見ているだけで「どうした?」と声をかけてくる。素通りするだけではもったいないなあ、と思いながら先を急いだ。真夜中の太陽「ミッドナイトサン」を見るためには、あと一ヶ月のうちに最北端のノルドカップまでたどり着かなければならないからだ。
それでも首都コペンハーゲンに寄って人魚の像の記念写真だけはしっかり撮ってきた。また機会があったらゆっくり訪れよう。

■ナメクジ大王の森<6月28日/デンマーク>

「こ、これはいったい何?」
デンマーク1泊目、雨に濡れそぼる林の中で野宿したとき、テントの近くででっかい黒いモノを発見した。ブニュブニュしていて、テカテカ光っている。なんだかキモチワルイ。角が4本、頭の部分がツルツルしていて、体は縦スジが入っている。体長は5~10cmもあり、ヌルヌルした粘液を出してウネウネと動いている。
日本のものとはちょっと違うけど、こ、これは、まぎれもなくナメクジ! よく見ると、あっちにもこっちにもたくさんいるではないか! ギャー! ここはナメクジ天国だったのだ! 黒いのを中心に茶色いのや赤いの、白いヤツもいる。みんなデカイ! テントにも這いあがってきて、粘液のあとがバッチリ。健ちゃんが塩をかけてみたけど、ひと皮むけただけで、さらにパワーアップしてしまった。ゲゲゲ。
テントをたたむときなど、テントの底に何匹もへばりついているし、ビールを入れたカップを地面に置いておくと、いつのまにか中で泳いでいる。油断すると靴の中にも入っていたりする。うわあ~! ギャー! やめてくれ~!
デンマークからノルウエー南部にかけては雨が多く、そんなナメクジ大王たちとの付きあいはしばらく続いた。最初はとっても気持ち悪かったのに、何日も見ているうちに、なんとなくかわいく思えてくるから不思議だ。結局写真は撮らずじまいだったので紹介できなくてゴメンナサイ。どうしても見てみたいという方は北欧の森へどうぞ。

■北欧、恐るるに足らず<6月30日/スウェーデン>

物価が高いのでバックパッカーに敬遠されている北欧。デンマークではドイツより少し高い程度で酒も許せる値段だったが、いよいよ北欧の本場(?)スウェーデンに入国。ここでもまたもやフェリーを利用した。
そのフェリーの中ではアルコールがたくさん売られていて、1箱単位でごっそりと買い込んで帰るスウェーデン人がいっぱいいた。スウェーデンではそんなに高いのだろうか? 私たちも買いだめしたいけど、バイクではたくさんは積めないので、1リットルの紙パック入りワインを3つだけ持っていった。
北欧の物価はどんなに高いのだろう? フェリーを下りてからスーパーマーケットにはいってみると、豚肉が400gで300円、ツナ缶が100円くらい。牛乳1㍑100円などなど。一番心配していた酒もビール0.5㍑で150円程度。
なあんだ、これなら日本より安いじゃないか。北欧も大した事がないね、とひと安心。ガソリンは少々高いけれど、北欧は治安もいいので野宿もできて、その分宿泊費が浮くから思ったより安く旅ができそう。北欧、恐るるに足らず、なのだ。

■雨ばっかりで寒いのだ<7月1日~3日/スウェーデン>

ドイツ北部からずっと天気はどんよりしていて、雨の多い日が続いている。地面もベチャベチャで、何もかもがウエット。乾いた場所がどこにもない。洗濯しても全然乾かず、レインウエアも脱げない毎日。
気温も低くてバイクで走るとよけいに寒く感じるので、持っている衣類をすべて着込んで走る。冬のトルコ以来着ることのなかったスパッツも手放せなくなった。酷暑のハンガリーでは見るのもイヤで捨てようかと思ったけど、持っていてよかった~。中央アジアで買ったダサいトレーナーも、ウエスにする予定を先送りにして着ることにする。
毎日朝から雲が重く暗くたちこめ、雨が降ったり止んだりの天気。ああ太陽が恋しい。どうしてこんなに天気が悪いの?
それなのにキャンプ場はどこも賑わっている。地面は水溜まり状態だし風も強くて外で過ごせる状況ではなく、私たちは寒くてテントの中にこもっているというのに、スウェーデンの人たちはテントの周囲に風よけの囲いを作り、Tシャツ姿でビールを飲んでバーベキューをしたりしている。なんか、無理やり「夏」を演出してないか?
海辺にあるそのキャンプ場のパンフレットには水着姿の人々で賑わうビーチの写真が載っていた。これは本当にここなのか疑いたくなる。7月というのにこんな調子でちゃんと暑い夏はやってくるの? 真冬のギリシャよりずっと寒いじゃないか。北欧の人たちが南に憧れ、太陽が出ていればすぐに肌をさらけだすのがわかるような気がする。
私たちはこれから北へ向かう。ますます寒くなるだろうし、ノルウエーもやっぱり雨が多いらしい。物価もさらに高くなるようだし、ああ、北の旅は厳しいのだ。

 

 

 

■ノルウエーはリッチな国

スウェーデンとノルウエーの国境はパスポートチェックも何もない。一応EUの国スウェーデンからEUでないノルウエーへの入国だから本当なら入国スタンプくらい必要じゃないのか、と思うのだけれど。税関も申告するものがある人だけ自分で行くようになっていた。  国境の橋を越えると、立派なツーリストインフォメーションがあり、各種パンフレットがズラリと揃っている。自動車協会発行の地図も、もちろん無料。さすがスイスと並ぶリッチカントリーなのだ。  スイスもノルウエーも国民投票で「EUに加盟しない」ことを選択している。トルコや東欧のようにEU入りを熱望している国もある一方で、ノルウエーのようにEU入りを望まない国もある。EU統合はまだまだ難しいなあ、という印象だ。  国境で無料のパンフレットに気をよくしたあと、スーパーマーケットに入ってびっくり。物価の高さは聞いてはいたけれど、な、な、なんとビールが0.5㍑で25NOK(430円)もする! スウェーデンの3倍以上。高すぎる! しかもワインやウォッカなどのアルコール度数の高いハードリカー類は置いていない。政府公認の専門店でしか販売できないらしい。値段が高いだけではなく日曜日や午後6時以降は売れないなど制限もあるのだ。ここはイスラム国家なのか!   こんな調子なので、ときどき買いそびれてしまい図らずも休肝日もできるし、二日酔いになるほど量も飲めないので健康にはいいのだろうけど、ねえ。

 

 

 

 

 

 

 

 

■「叫び」と「コンチキ号」<7月5日/オスロ>

オスロはノルウエーの首都とはいえ、人口50万人とこじんまりした都市。道路も整然としていて、中心部は長い自動車専用の地下道路になっていて、車が市街地を通らないように設計されている。そのため渋滞などとは縁がなく、走りやすいことこのうえなし。  私たちは市街から3kmほど離れた高台にあるキャンプ場に泊まり、バスで市内観光に出かけた。  オスロといえばムンクの故郷。美術の教科書に出ていた奇怪な絵、「叫び」で有名なアーティストだ。フィレンツェで美術館に行かなかった健ちゃんは、ムンクだけは見るんだ、と張りきっている。  入場料は60NOK(960円)と高い。私達は学割で40NOKで入れるとはいえ、それでも高いなあ。日本でも1000円くらい取る美術館もあるし、ノルウエーが特別高いわけじゃない、と自分に言いきかす。物価の高いところは日本と比較すると、少し気分が落ちつく。  ムンクは「叫び」の異様な雰囲気からすると狂気で不遇の人なのかと勝手にイメージしていたけど、実際はそうではなく、若い頃から認められてリッチだし、80歳すぎまで長生きしている。作品もたくさん残していて意外に普通の作品も描いているけれど、「叫び」はやっぱりムンクの売り物なので、「叫び」のキャラクターグッズがたくさん並んでいた。  もう一つ、トール・ヘイエルダールの博物館にも行ってみる。イカダのコンチキ号で太平洋を横断した冒険家は、ノルウエー人だったのだ。今年、2002年4月に亡くなったばかりのせいか、ムンク博物館よりも 見学者が多い。コンチキ号やパピルスの船など、実際に使われた船が展示されていたり、ドキュメンタリービデオを上映していたりと、意外に楽しめる博物館なのだった。

■騙されるな! 日本人<7月10日/ベルゲン>

オスロを出て西へ向かう。残雪の山岳地帯を越えるとフィヨルド沿いのクネクネした道になり、絶壁とフィヨルド、滝、氷河湖といった風景が次々に展開する。ノルウエー南西部は典型的フィヨルド地帯で、オスロから海沿いの街、ベルゲンまでがフィヨルド観光の定番コースとして知られている。天気が良ければバイクでも楽しいのだけど、フィヨルド地帯は雨が多い。毎日雨、雨、雨。ど~んよりした空がうらめしい。  それでもがんばって野宿しながらベルゲンへたどり着いた。ハンザ同盟時代の建物が並ぶブリッゲン地区や魚市場周辺はツーリストで賑わい、みやげ物屋もたくさん並んでいる。地元客向けというより観光客向けなので、何でも高い。小さなパンにエビやサーモンを乗せたサンドイッチは1つ500円もするし、チューブ入りのタラコのペーストも、スーパーで買えば22NOK(350円)くらいなのに、1本500円(なぜか日本語)と表示がある。日本人スタッフがいて「日本語でどうぞ」なんて書いてある店もある。ツアー客が必ず寄る場所だからこういう状況は仕方がないとはいえ、なんだか憤慨してしまう。  日本人よ、騙されるな!

 

■ノルウエーは釣り天国<7月14日/モルデ>

ノルウエーの海岸は典型的なフィヨルド地帯。V字に切り立ったダイナミックな景観が世界中から観光客をひきつけている。フィヨルドでは岸からポイと竿を振るだけで水深10メートル以上のところにアプローチできることから、釣りに最適な地形。なんと深いところでは水深40メートルもあるとか。  そんなフィヨルドと大西洋の合流点に「アトランティック・オーシャン・ロード」がある。いくつかの島をつなぎ、豪快なシーサイドドライブを楽しめる観光コースである。写真で見るほどすごくはなく、 途中に橋があり、地元の人が大勢釣りをしていた。  「これはデカイ魚がいるにちがいない」、と健ちゃんがニンマリ。「どうせまたダメだろう」と私は期待せずに見ていたけれど、ルアーを投げたとたんいきなり、ググっと竿がしなり、30cm程のサバが釣れたのでびっくり。「釣れない釣り師」のレッテルを貼られていた健ちゃんは得意顔。私もあわてて自分の竿を振ってみたら、やっぱり簡単に釣れた。サバに混じってタラやセイという白身魚も釣れる。これはしめたゾ。日本以上に物価高のノルウエーでは毎日野宿&自炊でもお金がどんどん無くなっていく。こんなふうにタダで簡単に魚が手に入れば大助かり。その後も、私たちは夕方になるとあちこちで竿を振り、おかずの魚を釣りながら旅を続けたのだった。

■世界最大のうず潮地帯で大物ゲット!

<7月21日/サルツフィヨルデン>  釣~りんぐしながらフィヨルドを北上していくと、世界最大のうず潮で有名なサルツフィヨルデンに到着した。うず潮見物に観光客もたくさんやってくるけれど、釣りポイントとしても有名で、ここのキャンプ場には魚を捌く専用の台所や冷凍庫があり、釣り目的の人ばかりが泊まっている。隣のテントのスウェーデン人のおじさんはここに何度も来ていて、毎回数日滞在し、釣った魚を冷凍にして家に持ち帰ると言っていた。  私たちもここに泊まり、さっそく世界最大の渦潮の中にルアーを落としてみた。すると思惑通りタラや白身魚のセイがバンバン釣れる。しかも日本なら高いお金を払って釣り舟に乗らないと釣れないようなオオモノばかり。初心者の私が安物の竿を適当に振ってるだけなのに、スゴイスゴイ。だけど釣り上げることのできたサイズは60cmまで。それ以上の大きなものも掛かるのだが、リールを巻き上げるのに手間取っているうちに糸を切られてしまうことが多く、糸を太いものに替えたら今度は竿が折られてしまった。 さすがは世界最大のうず潮。デカイ魚がウヨウヨいる。こんなのが岸から簡単に釣れるなんて。しかも、タダ! なのだ。  私たちは海でしか釣りしなかったけれど、川ではマスやシャケも釣れるそうだ。もちろん天然モノ。日本の釣り状況を考えると、ノルウエーは釣り好きの人には最高の環境ですぞ。

■北極圏に突入<7月19日/モイラナ~ボードー>

夏のノルウエーにはバイクツーリストも多い。ドイツ人、スイス人、オランダ人、スウェーデン人etc.。特にドイツ人が多く、みんな600cc以上のビックバイクに乗り、サイドには大きなハードBOXを付け、装備もしっかり揃え、ウエアもバッチリ決めている。それがヨーロッパのライダーの定番スタイルで、年齢も比較的高い。50代以上のご夫婦がタンデムで颯爽とツーリングしているし、2台のバイクで夫婦と子供1人、2人乗りサイドカー付きバイクに4人家族が乗っているのも見かけた。ヨーロッパ(イタリアやギリシャなど南欧は除く)ではバイクは完全に趣味のもので、大人の乗り物になっているのだ。  私たちのように250ccなんて小さなバイクで旅する人はほとんどいない。しかも、「J(日本の国際識別マーク)」マークはここでは珍しく、「どこを通ってきたんだ?」と聞かれることもしばしば。「ロシア、中央アジア」というとみんなびっくり。信じられない、というような顔をする。旧ソ連はヨーロッパ人にとってもまだまだ遠い存在みたいだ。  フェリー待ちの時間に知り合ったアフリカツインのドイツ人カップルのサイドボックスに貼ってあったステッカーを見てびっくりした。私も7年前にお世話になった、アルゼンチンのツーリングクラブのステッカーだった。彼らも去年南米チリとアルゼンチンを5週間ほどツーリングしたという。  フェリーの中でライダー同士、そんな話で盛り上がっている間に北極圏に突入した。北緯66°32′35″、大きな岩の上に地球儀のような形のモニュメントがあった。ちなみに、北極圏の定義は、「その北側において、夏には少なくとも1日以上太陽が沈まない、同様に冬には少なくとも1日以上太陽が昇らない地帯」だとか。

 

 

 

 

■ミッドナイトサンを見たのだ<7月28日/アルタ~マーゲロイ島>

ところで夏のこの時期、北欧は白夜となり夜中も薄明るい状態が続く。それが北極圏まで来ると太陽は1日中沈まなくなり、真夜中の太陽、「ミッドナイトサン」が見られる。夜の12時、太陽は水平線下に沈まず、そのままゆっくりとまた登ってくるという。ヨーロッパでの大きな目的の一つは、この「ミッドナイトサン」 だ。最北端のノルドカップでは7月末までミッドナイトサンが見られるのだけど、この一帯の晴天率は低く、たとえノルドカップに到達しても見られる確率は高くない。夜の12時に空が晴れ渡っていないとせっかくの太陽も雲に隠れて見えないのだ。  ところが、今日は雲もなく空はすっきりと雲もなく、きれいに晴れている。もしかしたらミッドナイトサンが見られるかもしれない。岩絵で有名なアルタから200km、もう夕方6時になっていたけど、白夜だから走れない距離ではない。このまま走ろうか? ということに2人で意気投合し、ノルドカップのあるマーゲロイ島へ向かって一気に走った。  アルタを過ぎると、森林限界となり、木が一本も生えていない荒涼とした風景になってくる。町も少なくなって、いよいよ最果ての旅、というイメージ通りの風景が続く。  結局ノルドカップにたどり着く前に12時になってしまったけれど、ノルドカップを望める場所にテントを張り、無事にミッドナイトサンを見学できた。太陽はちゃんと、12時以降も水平線上にとどまっていて、水平方向に移動していた。バンザーイ! なんだか初日の出を見ているような、厳かな気分だった。

■ノルドカップへ<7月29日/マーゲロイ島>

ミッドナイトサンを拝んだ翌朝、ゆっくりと起きてノルドカップ手前、スカルスヴォーグという小さな漁村にある「世界最北のキャンプ場」へ直行する。涼しくて汗をかかないとはいえ、野宿が6泊続くと、さすがにシャワーを浴びたい。洗濯もしなくちゃならないし、キャンプ場ではいろいろと忙しい。幸い太陽も出ていて適度に風もあるので、すぐに乾くのがありがたい。  夕方、いよいよノルドカップへ向かった。キャンプ場から13kmの距離だ。荒涼とした景色の中を登っていくと、やがて料金所のゲートが現われる。ここに入るのに、なんとお金がかかるのだ。ノルウエーは何でもお金を取る。しかも大人185NOK(2960円、学割100NOK)と高い。ただの突端の岬で、大きなノールカップホールという施設があるだけなのに。  北緯71°10’21’’、ヨーロッパ最北端(本当はすぐ右にあるクニブシェロデン岬のほうが北にあるが、歩いてしか行けない)。夕方、団体客もいない静かな時間に行ったおかげで、記念撮影も存分にできた。風もいつもより弱く、私たちは運が良かったようだ。この日も昼間は天気が良かったのだけど、夜になってから雲が出てきてミッドナイトサンは見られず、夜中には風もひどくなってしまった。

■極北で会った日本人ツーリスト<7月29日/マーゲロイ島>

ノルドカップからキャンプ場へ戻る途中、日本人の自転車旅行者、播磨さんと出会った。ハンガリー以来の日本人個人旅行者。髭面だけど、意外にこぎれいな格好。フリーランスのコンピューターソフトのプログラマーなので、6~8月の3ヶ月間は休みを作って、涼しい国を旅するのだそうだ。カナダ、アラスカ、ニュージーランド、オーストラリアなどなど。ノルドカップも2度目という。播磨さん曰く、 「会社勤めをしている頃に、率先して2週間の休暇を取って旅行したことがあるんですよ。他の人が取りやすくなるだろう、と思って。でも、誰も追従してくれないんです」  日本ではタテマエでは長期休暇が取れても、実際にそれを実行するとヒンシュクを買いがちだし、長期旅行をしようと思ったら会社を辞めなければならない。それ以前に、播磨さんの言葉でもわかるように、長期の旅をしたい、と思う人が少ないし、海外へはツアーでしか行けないと思っている人さえいる。  ここ、北欧にはたくさんのヨーロッパ人が遊びに来ている。車やキャンピングカー、自転車、モーターサイクル、バックパッカー。ドイツ人が圧倒的に多く、他にスウェーデン、イギリス、フランス、イタリア、スペイン、オランダetc.年齢も国籍もさまざまだけど、定年リタイヤ組以外は私たちプータロー(死語?)と違って普通の会社勤めをしている社会人ばかり。4~6週間の長いバカンスを取れるので会社を辞める必要がないのだ。  ヨーロッパ人って人生を楽しんでるなあ、と思う。日本人は人口1億2千万もいて、海外渡航者数1700万(参考までに、北欧4国の人口合計は2000万人)というのに、ここで会った個人旅行者は播磨さんただ一人。日本人はツアーでしか旅行しない、とヨーロッパ人の多くは思っている。そんなことはないのに。  日本人のみなさん、もっと長期休暇をバンバン取って旅に出て、彼等の考えを改めさせましょう!

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