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ギリシャ 2001年12月25日~2002年3月21日(フランス・スイスでスキー 1月10日~2月10日)

ギリシャ 2001年12月25日~2002年3月21日(フランス・スイスでスキー 1月10日~2月10日)


■ヨーロッパ越冬計画

ギリシャの首都アテネに到着したのは年も押し迫った12月28日。冷たい雨や雪ばかりのイスタンブールとちがってアテネは陽光まぶしく、気温も20℃もあるし、バイクもバンバン走っている。BMWやアフリカツインなど日本製やドイツ製のビッグバイクが多く、セローも走っているし、女性ライダーもいる。ヨーロッパの先進国に来たんだなあ、と実感した。暖かいのでみんな足代わりにしているようだ。
よかった、これでもう安心、と思ったら、新年早々、アテネにも60年ぶりという大雪が降ってしまった。ガガガガーン。アテネっ子には珍しいやらうれしいやら、だけど、私たちにとっては「またかよ~」という感じのうらめしい雪。
本当なら冬の間、南ヨーロッパをがんばって走り、2月中にはサハラ越え、というはずなのだけど、今年のヨーロッパはどこも雪が多くて、この先のイタリアも大雪らしい。物価の高いヨーロッパで足止めを食ったりしたら大変だ。それでなくても冬のヨーロッパは寒いし、夜が長いし、雨が多いし、キャンプもできないし、ロクなことがない。それに、せっかくフランスやスペインを走るのに、ただ移動するだけではもったいないということで、冬の間の移動はやめることにした。海外ツーリングライダーは軟弱なのだ。
そんなわけで、ギリシャが本格的に暖かくなる2月中旬までライダーを休業することに決定。サハラ越えは冬がベストなのでアフリカは1年先に延ばさざるを得ないし、仕方なく秋までヨーロッパを回ることに計画を変更した。
アテネの宿で一緒のDR800Sの青山さんもバイクをアテネに置いて春まで東南アジアをバックパッカー旅行するという。この青山氏、南米でもバイクを置いて途中で知り合った仲間と一緒にオンボロ車を買い、エクアドルからアマゾンを越えてブラジルを走ったりとユニークな旅をしている。たしかにバイクツーリングだからといってバイクに縛られる必要はない。海外ツーリングライダーは思考が柔軟なのだ。

■シャモニーでスキー三昧!

というわけで、私たちもアテネの宿にバイクを預け、スキー旅行に出かけることにした。バイク旅から一転、スキーリゾートで名高いフランス・シャモニーへ。
実は私たちはスキーが大好きで、日本でも雪山にガシガシ登り、誰もいない天然のゲレンデを滑る、というスキーを毎年楽しんでいた。ヨーロッパではそうしたオフ・ピステスキーが盛んだと聞き、ワクワクして行ったのだけど、皮肉なことに、こちらは例年に比べて雪不足で、毎日ピッカピカの晴天続き。バーンもガチガチに固くなっていて滑りにくい。パウダースノーじゃなかったの?
雪がいらないところで大雪になり、降ってほしいところで晴天ばかり。どうしてこうなるの?
それでもモンブランはじめ、ヨーロッパアルプスの素晴らしい景観を堪能できたし、日本とは比べものにならないほどスケールの大きなシャモニーのスキー場で滑れたから、まあ、よしとしよう。
2月に入ると、フランスでは「スキー休暇」が始まる。ファミリースキーヤーが増えてハイシーズンを迎えるのだ。込み出す前にシャモニーをあとにした。
ツーリングの途中で、こうした変化があると旅にも張りが出てくる。長旅ではどうしても途中でダラけてくるし、好奇心もなくなってしまう。そんなときは日本に一時帰国するもよし、現地で語学学校に通うなり、働くなりして充電すると、「よーし、また旅するぞー!」という気分になってくる。海外ツーリングライダーも旅以外の趣味があると、走るだけではなく旅の幅が広がってさらに楽しめるのだ。

■エーゲ海へ!

「旅するぞー!」の気力満々の私たちは、いったんアテネに戻ってライダーに復活し、2月後半、今度はエーゲ海の島へ向かった。島はアテネよりずっと暖かくて春爛漫。あちこちに春の花が咲き乱れ、桜まで咲いている。最初に行ったサントリーニ島では澄んだエーゲ海と青い空、白い家々、とそのまま絵ハガキになる風景が展開していて、「エーゲ海に来たんだ~!」と感動。
バカンスシーズンには観光客で溢れかえる島も、早春なら人も少なく静かだし料金も安いので、シーズンオフのエーゲ海はなかなかGOOD。
エーゲ海の島々を結ぶフェリーはたくさんあり、しかも安く利用できるので、サントリーニ島からナクソス島、さらにエーゲ海最大の島、クレタ島へも行ってみた。暖かい太陽の下、一面のオリーブ畑、たわわに実ったオレンジやレモン、青いエーゲ海、白い教会。ああ、なんて平和な風景。もう寒いのを我慢して走る必要がないと思うと、うれしい。
ところで、ヨーロッパアルプスでスキーをし、エーゲ海をクルーズ、なんて聞くと「リッチなリゾート旅行!」と思われそうだけど、シャモニーでは1泊1人10ユーロ(1150円)で広いアパートをシェアできたし、エーゲ海の島でも野宿ばっかり。やり方次第で安く旅ができる。
ちなみに、私たちの旅の予算は1ヶ月1人10万円。宿泊費から食費、ガソリン代、ビザ代、雑費、そのほかすべて込みでこの予算内で今のところ充分お釣りがくる。ケチしようと思えばまだ削れるけれど、すでに若者ではないから、たまにはレストランで食事したいし、酒代も普通の人より多いはず。野宿よりはなるべく安心できるキャンプ場でまったりしたいし、物価の安い国ではホテルにも泊まってしまう。それでも10万円以内で済むのだから、日本で生活することを考えたら、絶対安い。海外ツーリングは意外に安いんですよ~。Go! Go! 海外ツーリング! なのだ。

 

■世界遺産の宝庫、ギリシャ

ギリシャといえば、古代ギリシャ文明、ギリシャ神話の地。紀元前何世紀もの遺跡があちこちにあって、どれもこれも世界遺産クラスの貴重なものばかり。クレタ島のミノア文明、オリンピック発祥の地オリンピア遺跡、デルフィ遺跡、ギリシャ正教の聖地メテオラなどなど、いくつも見ているうちに食傷気味にはなってくるけれど、「旅するぞー!」の気分が続いている私たちは、がんばって見て回った。グルジアで作った学生証(学生じゃなくてもOK)が威力を発揮し、遺跡の入場料が半額なのもうれしい。
それにしても、こんなすごい文明を築いた先人たちの末裔としては、現在のギリシャは…?
一応EUの国だし、何でも揃っていて不自由はないし、ポリスもマトモなんだけど、なんだかアジア的というか、いまひとつヨーロッパナイズされていない。健ちゃんによると「ギリシャっていうとオシャレなイメージだったけど、全然そうじゃなかった」との感想。交通マナー、街並み、人々の服装etc.特にフランスやスイスを見たあとだと、同じEU(スイスはEUじゃないけど)でも、かなり格差があるように思えた。経済的にも遅れを取っている感のあるギリシャがEUに入っているのは、失礼ながらひとえにエーゲ海という大観光地のおかげかも。
2002年から通貨がユーロに統合され、ギリシャでも旧通貨のドラクマからユーロへの移行はスムーズに行われていたけれど、今後はどうなる? まだまだヨーロッパ統合には問題多し、という感じもする。
そんなふうに思いながら、3月後半、計2ヶ月近くも滞在したギリシャをあとにフェリーでイタリアへ渡った。

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