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イタリア・マルタ 2002年3月22日~4月29日

イタリア・マルタ 2002年3月22日~4月29日

■シェスタは困りモノなのだ

ギリシャからのフェリーはイタリア南部(長靴のかかと部分)にあるブリンディシに到着。まずはアルベロベッロに向かった。小さな町だけど、円錐型の屋根をした特徴的な建物が残っていて、世界遺産にもなっているところなのだ。ゆっくり見物でも、と思ったら雨が降ってきてしまった。
シェスタの時間だったので店も閉まってしまうし、雨をしのげるような場所もない。仕方なく雨の中を歩きまわる。円錐形の屋根の家はトゥルーリというらしい。アルベロベッロだけでなく、この地方のあちこちで見かけた。
ところで、イタリアではシェスタの習慣がしっかり守られている。午後2~4時すぎまでツーリストインフォメーションも、みやげ店もどこもかしこも休む。人通りもなくなって死んだようになる。とにかく誰もいないし何もすることができない。慣れない旅行者には困りモノのシェスタなのだった。

■野宿ができない!

アルベロベッロで泊まろうとしたが、ホテルが最低でも朝食付きツイン55ユーロというのでびっくりしてやめる。日本の感覚だと3つ星ホテルでこの値段は激安だけれど、ギリシャで15~20ユーロで泊まっていた私たちにはつらい値段。「それなら、キャンプ場か野宿でいいや」と気軽に考えていたが、行けども行けどもキャンプ場はないし、野宿できそうな場所がまったくない。
広々していて家もまばらなのだけど、どこもきちんと管理された誰かの土地で、オリーブ畑や森などもフェンスや石垣で仕切られていて、入れないようになっている。ギリシャのように「Room to let」という民宿の看板もまったくない。英語がほとんど通じないし、どうも勝手が違う。
かなり探しまわり、日没直前にようやくオリーブ畑の隅でテントを張る。なんだかコソコソしなければならず、イヤだなあ。

 

■ユースはキライなのだ!

イタリアは寒い。しかも風が強い。シチリア島に入って雨まで降ってきてしまったので、キャンプではなく、タオルミナという町のユースホステルに泊まることにした。どうせシーズンオフの平日で客も少ないだろうし、もしかしたら部屋を2人で占領できるかもしれない、と思ったらとんでもない。定員は28人なのだが、狭い8人ドミトリーに、さらに床に2人、玄関にも1人、リビング兼食堂にも3人眠らなければならない混雑ぶり。荷物で埋まったドミトリーは狭くて2段ベッドしか居る場所がない。全体に狭くて共有スペースもなく、トイレ・シャワーも混雑しているので落ち着かない。1部屋10人とすると、1泊1室につき145ユーロだから、5つ星ホテル並みだ。シーズンオフでこの状態だから、ユースのほうがもうかっているかもしれない。
あとでわかったが、ここは遺跡がある観光地でホテルは高く、安宿がないため、バックパッカーはみんなこのユースホステルに集まるらしい。でも、2、3人のグループならユースより安く、個室に泊まれるホテルはある。公営のユースホステルなら広々していいけれど、小さなところは狭くて居心地がイマイチ。
翌日は海沿いのキャンプ場に泊まり、ほっとひと息。やっぱりバイクの旅には広々した開放的なスペースがありがたいのだった。

■マルタ初日は「バッド・フライデー」だった

マルタはイタリア・シチリア島の南100kmに浮かぶ小さな島国だ。せっかくだから行ってみよう、ということになり、3月28日、島の南端、ポッザーロという小さな港町から高速フェリーに乗った。たったの90分なのに往復で人間(86ユーロ)+バイク(68ユーロ)+TAXで1人184ユーロ! 高すぎるぞ!  大枚はたいて行ったのに、「グリーンカードがないとマルタではバイクは走れない」と言われる。保険に入ればいいのだが、イースターの休みで保険会社はやってないため、バイクは税関の倉庫に預けることになり、人間だけの入国となった。まあ、仕方がない、ホテルでも探そう、と思ったが、もう夜中の1時過ぎ。  港近くの2つ星ホテルにたてつづけに2軒断られ、1軒あったペンションも満室だった。明日からイースター休暇なのを知らなかったし、だいいち、バイクでキャンプする予定だったので予約なんてしてない。  どこでもいいから泊めてくれ~。と今度は無謀にも高級3ツ星ホテルのベルを鳴らすが、真夜中なので誰も出てこない。どうも、この地区は宿は少ないようだ。  2時半までさがすが、結局あきらめて旧市街の一角で夜を空かすことにした。風は強いし寒いし、シュラフもテントもない野宿はつらい。荷物も持たず、身ひとつで生きている野良犬や野良猫はえらいなあ、と思った。ああ、どうしてこんなことに…。  この日はイースター休みの初日で「グッドフライデー」だったけど、私たちにとっては、グッドどころか「バッドフライデー」となってしまった。でも、高いホテル代がかからなかったからラッキー、と健ちゃん。たしかにそうだけど…。

■安宿発見!

寒くてまったく眠れないままに朝を迎えた。  朝8時、ホテルが集まっているらしいスレイマ地区へバスで移動してみる。重い荷物を持ってウロウロしていると、3~4つ星ホテルが軒を連ねる表通りからほんのちょっと入った裏通りに「GEUST HOUSE」の看板を見つけた。運よく空き室があり、バス・トイレ・冷蔵庫付きの部屋が1人5.5ML(1650円)で朝食付きという、マルタではおそらく一番安いクラス。ギリシャと違って安宿が少ないのだ。  とにかくこれでひと安心。午前中からチェックインし、昼過ぎまでぐっすり眠った。ああ、やっぱり暖かい部屋と柔らかいベッドは最高。それにしても4月も近いというのに、天気も悪いし暖房が必要なんて、ここは本当に南国のリゾートなの?

 

 

■イギリス的なマルタ

ところで、マルタは小さな島国だ。位置的にイタリアの属国のようなものだろう、と思っていたら大間違い。ここは英連邦らしく、英語は通じるし、車は左側通行だし、街並みもイギリス風で重厚な感じ。リゾートという感覚で行くと、ちょっと印象が違うかもしれないが、海はさすがにきれい。3月末でも晴れれば泳げるし、安全だし、便利で居心地がいい。観光業が大きなウエイトを占めているだけあって、観光客は年中多いが、シーズンオフの今は年齢層はかなり高めで、欧米人の白髪団体がいっぱいいる。なんとなくマイアミ的?  また、ゲストハウスの主人によると、英語を勉強しにくる日本人留学生もけっこういるそうだ。イギリスより物価も安いし治安もいいから、だとか。たしかに、スーパーでも街中でもそれらしき日本人を何人か見かけた。日本人なんて誰もいないだろう、と思っていたのに。  マルタについての予備知識をまったく持ってなかったのでびっくりすることがいっぱい。たまにはこういうガイドブックなしの旅もいいかも。  ただ、狭い島にしてはあまりにも人口が多くて交通量も多く、建物もゴテゴテした造りでなんだか息苦しい。開放的で広々したエーゲ海の島と比べると、田舎らしいのんびりムードはない。物価も高くて食料品もイタリアの1.5倍くらい。しかも自炊できないからすべて外食ので高くついてしまう。つらすぎる。

 

■高かったグリーンカード

イースターの休みもあっという間に過ぎ、月曜日にやっと保険会社へ。これでバイクを引き取れる、と思いきや、保険がたったの15日間で39.5ML(12000円)という信じられない値段のうえ、マルタでしか有効でないという。そんな保険では入る価値はない。結局バイクは税関に預けたまま、バスで観光することにした。バス代は1回45~120円と安く、本数もけっこう多いしマルタのおもな見どころを網羅している。だいたい、狭い島をバイクで走る必要はなかったのだ。しかもどこも管理された土地ばかりで柵で囲われてるし、地形も平坦で森などもないから野宿する場所はおろか、キャンプ場さえないのだから。  もっと情報があったら、最初からバイクを預けて来たのに。ギリシャの島の感覚で行ってしまったのが、大間違い。物価が安けりゃまだいいけれど、物価が高いマルタでは大損害。やっぱりある程度の予備知識は必要なのだった。

■最低の大失敗

1週間の滞在のあと、税関からバイクを引き取り、ようやくイタリアへ戻ってきた。が、なんと私は宿にトラベラーズチェックと現金合わせてUS$3000以上入ったマネーベルトをそっくり置いてきてしまうし、健ちゃんは税関の車庫にパスポートを落として来てしまったという。ガガーン! 2人とも旅には慣れているはずなのに、信じられないような大失敗。  幸いにもパスポート、マネーベルトともに無事が確認できたけれど、結局、またマルタへとんぼ帰りする羽目になった。  今度はバイクを駐車場に預け、体だけとはいえ、往復で2万円以上の無駄な出費。マルタの港の職員の間ではすっかり有名になるし、なんだか恥ずかしい日本人2人。  そんなこともあって、次のフェリーまでまやもや4泊、マルタで過ごすことになってしまった。タメイキ。 でも「4月がベストシーズン」というだけあって、爽やかな気候のマルタを存分に堪能できたのだから、まあ、いいか。

 

 

 

 

 

 

 

 

■キャンプ場に物申す!

イタリアでは野宿がしにくいので、ほとんどキャンプ場を利用した。4月ともなれば多くのキャンプ場がオープンするので不自由はないが、あちこちにあるわけではなく、観光地やリゾート地に集まっている。  キャンプ場の設備は素晴らしい。ホットシャワー、水洗トイレ、洗濯場は最低の設備で、レストラン、ミニマーケット、キッチンやプール、バンガローやホテルがあるところも多い。  豪華なキャンピングカーでやってくるシルバー世代を中心に、学校関係の団体客がいたりして4月というのに賑わっている。快適で安心なのだけど、けっこう高い。もちろん日本のオートキャンプ場を考えるとまだ安いけれど、人間、バイク、テントとそれぞれに料金が計算される場合が多いので、キャンピングカーの人たちより高くなってしまうこともある。むこうは電気がありベッドで寝泊まりする優雅なキャンプライフ、こっちはランタンもなく、小さなテントで原始的なキャンプ。使うスペースだって断然少ないのに、どうして私たちのほうが高いの?

 

■ナポリのユースホステル

シチリア島から南イタリアの中心都市、ナポリへフェリーで向かった。ギリシャだけでなく、イタリアもフェリーがあちこちに出ていて、スペインへの国際フェリーなどもある。うまく利用すると宿代、ガソリン代の節約にもなる(何しろ日本よりガソリンが高い)。  ナポリでは久々にユースホステルに滞在した。シャワー・トイレ付きツインの部屋で1人16ユーロ(朝食付き)だし、庭も広いし、共有スペースもたくさんある。こういう大型YHはけっこう居心地がいい。ただ、客層がキャンプ場とガラリと変わる。シルバー世代が中心だったキャンプ場と比べ、こちらは20代バックパッカーの若者が多く、中には高校生の団体などもいる。もちろん、中年以降も混じってはいるが、ここでは確実に私たちは長老派。日本人も多いのだけど、世代のギャップも感じてしまうのだ。

■ナポリのピザはうまかった

ナポリといえば、青の洞窟、らしい。ナポリに近いカプリ島にあるそうだ。ボートで往復20ユーロもするので、当然私たちは行かなかった。  その「青の洞窟」だが、日本にあるスパゲティのブランド。もちろんこっちにはそんなブランドはない。その代わりさすがイタリア、ピザやパスタは絶品。スーパーマーケットへ行けば様々な種類のパスタが並んでいるし、ソースの種類もいろいろ。しかも安い。キャンプのときはたいていパスタ料理で飽きることはなかったけれど、ピザはさすがにオーブンがないと無理。それでときどき買い食いをするのだけど、ピッツェリア(ピザの店)となっていても、夕方以降じゃないとピザが食べられないところも多い。多分、ちゃんと釜で焼くので時間が決まっているのだろう。  ナポリではユースホステルの近くに昼間からピザを食べられる店があって、そこのピザがうまかった。丸ごと1枚で2ユーロ(230円)からと安いし、いつも焼きたて。特に「クワトロ・フォルマッジ」という4種類のチーズを使ったピザが私のお気に入り。ああ、やっぱりダイエットは無理だ。

 

■ナポリとローマの壁

ナポリから北上して首都ローマへ。  ナポリの喧騒ぶりからして、人口の多いローマ市内はさぞやすごいか、と思ったらそうでもなかった。さすが首都だけに道路も整備されているし、秩序が保たれているのか、みんなクラクションもあまり鳴らさないし、一応マナーある運転をしている。ナポリとの一番大きな違いは、ライダーがみんなヘルメットを被っていることだった。スクーターの2人乗りは相変わらずだけれど、タンデムライダーもしっかりヘルメット着用しているのだ。ナポリではビッグバイクでもヘルメットを被らない人が多かったし、ポリスも全然注意しなかったのに、ローマでは厳しいようだ。  ナポリにいるときは、イタリアはヨーロッパの中のアジアかと思ったけど、ローマはEUの国らしく上品で落ち着いた感じ。ただ、先進国の首都にしては人口100万と少ないし、観光客だらけで経済都市というより、日本でいうと京都のような観光都市。実際、イタリアでは「ミラノが稼いでローマが使う」という格言があるくらいなので、首都のローマより北部のミラノのほうが経済的にリードしているようである。

 

■都会のキャンプ場暮らし

ローマでもキャンプ場に滞在した。大きなキャンピングカーで旅をする人が多いヨーロッパでは、大都市の郊外にいくつかキャンプ場があり、電車やバスで中心部にアクセスできるようになっている。ローマの場合、電車で20分。ローマ市内観光はバイクを置いて電車で気軽に行ける。  駐車場の心配もないし、ホテルより断然安いとはいえ、2人で1泊20ユーロ(2300円)。北上するにつれてだんだん物価が高くなる。ギリシャのキャンプ場で15ユーロで落ち込んでいた健ちゃんも、このごろは20ユーロでも全く動じなくなった。人間、慣れるものである。  また、ホテルやバンガローが設備されたキャンプ場も多く、大型バスでやってくる学校関係のツアーなども泊まっている。私たちの泊まっていたキャンプ場にもポーランドからの団体がやってきていた。近年は東欧圏からのツーリストが増えているようである。

 

■フィレンツェでまいりました

ローマをあとに「花の都」フィレンツェへ。イタリアでも屈指の観光地だけに、ローマ以上に町はツーリストで溢れかえっていた。 当然、日本人観光客も多く、団体ツアーもいっぱい来ていて、狭いエリアに集中している。そんな中で、ウエディングドレスとタキシード姿の日本人新婚カップルがいたのにはビックリ。カメラマンがそれを撮影しながら街中を練り歩いている。海外ウエディングというやつだろうけど、なんだかイメージに踊らされていないか? はっきり言って、フィレンツェの街中ではかなり浮いていた。ルイ・ヴィトンの店にも日本人客しかいなかったし、ちょっと変だぞ、日本人。  それにしても、フィレンツェはどうしてこんなに混んでるの? 4月の平日なのに。お目当ての美術館も1時間も並ばなければ入れないというので、根性のない私たちはあきらめる。ミケランジェロのダビデ像も、ラッファエロの宗教画も、もうどうでもいいっていう感じ。物価もツーリストプライスで異様に高い。  ナポリからずっと私に付きあわされて観光していた健ちゃんが、そんなフィレンツェを半日歩いただけで、「もうかんべんしてくれ!」と。。。健ちゃんは田舎暮らしが長かったせいで、人間の多いところが苦手だし、インド長期滞在の後遺症で物価が高いと暗くなるのだ。

■ベネチアでさらに追い打ち

フィレンツェの次は、イタリア観光の定番、「水の都」ベネチアへ。ここでもやっぱりキャンプ場に泊まる。いいかげんベッドに寝たいなあ、と思うのだけどユースホステルのドミトリーでも2人で30ユーロと高いし、街中のホテルでは駐車場の問題もある。また、ベネチアの町へは車は入れないので、必然的にキャンプ場となる。まあ、そろそろ日も長くなって8時頃まで明るいし、雨も少ないから快適ではあるけれど。  ここのキャンプ場がまたまたすごかった。ベネチア行きのフェリーの発着場前なので便利だし、レストランやバー、売店もあるし、キャンプサイトも広くていい雰囲気。バンガローもたくさんあり、4月の平日でも宿泊者はけっこういる。  ところが、コンチキ号というバスでやってくる若者の団体ツアーが開放的な気分になるのか、夜じゅうバーで大騒ぎをする。ガンガンに音楽をかけ、周囲を気にせず騒ぎまくる。 早くツーリストが少なくて静かで物価の安い国へ行かなければ。もうすぐ旧ユーゴスラビア。少しは期待できるかもしれない。

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